高脂血症や高血圧、糖尿病、内臓脂肪型肥満のような生活習慣病は単独でも動脈硬化を促すが、近年、それぞれが軽症であっても、重なり合うと相乗効果が起こり、より心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞が起こりやすくなることが分かってきた。

このような状態をメタボリックシンドロームと呼び、成人の20−30%にこの疑いの人がいるという。

診断は、内臓脂肪型肥満のあることを条件とし、これを含めて高脂血症、高血圧、糖尿病のうち、いずれか3つ以上を重ね持つ場合をいう。

診断基準値をあげると、内臓脂肪型肥満(腸間膜などに脂肪が多くつく)は、へその高さの復位で男性が85センチ以上、女性90センチ以上。高脂血症は中性脂肪が1デシリットルに150ミリグラム以上、またはHDL(善玉)コレステロール値が1デシリットル中40ミリグラム未満であること。高血圧は収縮期血圧130ミリHg以上、または拡張期血圧85ミリHg以上。糖尿病は空腹時血糖値が1デシリットル中110ミリグラム以上である。

それぞれの数値が低くても、重なると動脈硬化が促進されやすい。内臓脂肪型肥満を重要視するのは、これがあると高脂血症、高血圧、糖尿病が引き起こされやすいからである。

そこで肥満の予防、治療が問題となる。対策は、栄養のバランスのとれた食事を腹八分目とる。具体的には低エネルギーで高血圧、高脂血症を防ぐ成分を含む野菜をたくさんとり、炭水化物と脂肪の大食を抑えることだ。そして運動、早足歩行などを行うことがメタボリックシンドロームを抑えるコツである。
(新宿医院院長  新居 裕久)

2005.10.15 日経新聞