食物繊維を上手に活用し
毎日の健康管理に役立てましょう

みなさんご存知の「食物繊維」という言葉。でも実際に体の中でどんな働きをするのかご存知ですか?最近になって、食物繊維は現代人に欠かせないたくさんの重要な働きがあることがわかってきました。

・体がよろこぶ食物繊維
食物繊維はエネルギー源や体の構成成分にはほとんどならないものの、体内でさまざまなメリットを発揮します。今回は管理栄養士の竹内冨貴子さんに食物繊維の具体的な働きやその重要性についてうかがいました。


現代人の健康管理に不可欠な食物繊維のさまざまな働き
まだ食生活が豊かでなかった時代、食物繊維は単に「消化されないもの」「栄養分のないもの」として認識されていましたが、最近になって現代人には欠かせないたくさんの重要な働きがあることがわかってきました。ですから今ではエネルギー源となる3大栄養素「たんぱく質」「炭水化物」「脂肪」、さらに「ビタミン」「ミネラル」に次ぐ『第6の栄養素』として注目されています。

食物繊維には炭水化物(糖)の吸収を穏やかにする働きがあるので、食後の血糖値の上昇が抑えられ、インスリンの分泌を少なくすることができ、脂肪をつくりにくくします。さらに腸壁を刺激して腸のぜん動を活発にしたり、腸内の有用菌を増やし腸内環境を整えます。血糖値が高めの方、ダイエットに励んでいる方や便秘に悩んでいる方は、食物繊維の働きを理解し、不足している時は特定保健用食品を有効に活用するなど、きちんと摂取することを心がけましょう。

働き盛りのビジネスマンこそ食物繊維を上手に活用しよう
食物繊維は、炭水化物(糖)の吸収を抑制するほか、食品中の水分を抱きかかえてゲル化し、コレステロールなどの吸収を抑制することがわかっています。コレステロールを下げるIPA、DHAなどの脂肪酸を多く含んだハマチ、ブリ、サバなどの青魚や、タウリンを多く含むタコ、イカ、カキなどと一緒に摂ることもおすすめです。まさに生活が不規則で運動不足、飲酒、喫煙、ストレスの多い生活習慣病の危険にさらされている働き盛りのビジネスマンにこそ、食物繊維を強く意識してほしい。仕事がハードだということは、それに耐えられるだけの体力が必要ということ。ところが実際には体力のある20代よりも、体力が衰えかけた30代、40代に責任の重い仕事のピークがやってきます。運動、睡眠、食生活などの面から生活習慣を見直し「食物繊維を上手に活用すること」で、忙しい毎日を元気に乗り切っていただきたいと思います。

青菜、根菜、豆、きのこ、海藻、食物繊維は女性の強い味方
食物繊維は人間の消化酵素では消化できない非栄養素ですが、さまざまな食材に含まれるため、食物繊維を多く摂ることを心がければ同時にビタミン類やミネラル類の摂取量を増やすことができます。食物繊維を多く含む食材は、青菜類、根菜、豆、きのこ、海藻、こんにゃく、穀物などで、いずれもヘルシーな和風のおかずの献立として、手軽につくりやすいものばかりです。便秘がちな人は吹き出物が出やすいものですが、以上の食材の中には、皮脂分泌をコントロールするビタミンB2や、吹き出物が化膿するのを防ぐビタミンCを多く含むものもあり、便秘や肌荒れで悩む女性の強い味方となってくれます。また、ダイエットのための低カロリーなおかずになる食材も盛りだくさん。料理のバリエーションも広げながら、おいしく食物繊維を摂取しましょう。

●食物繊維についてもっと知りたい方は
http://www.calpis.co.jp/kettouchi/nansyouka.htm


2005.10.8 日経新聞