青ジソで老化、肥満防止…毎日数キロ食べれば


 青ジソに含まれるポリフェノールの一種「DDC」に、体内で老化や肥満を進める「活性酸素」を無毒化する作用があることを、京都大の久米利明准教授らがラットの細胞を使った実験で確認した。DDCが、活性酸素を攻撃する酵素を作る遺伝子の働きを高める結果という。だが、効果を得るには毎日青ジソを数キロ食べる必要があり、効率的に摂取できる健康食品などの開発が待たれる。15日の米科学誌に発表される。

 活性酸素は、ストレスや喫煙、紫外線の刺激で体内の酸素の一部が変化して発生。正常な細胞の遺伝子を傷付けてがん化したり、血液中のコレステロールを血管の壁にこびりつかせて動脈硬化を進めたりする。

 久米准教授らは身近な食材から活性酸素の発生を抑える物質を探す中で、青ジソの乾燥粉末から抽出した物質をラットの細胞にふりかける実験を行った。その結果、活性酸素を攻撃する酵素「抗酸化酵素」を作る遺伝子の働きが、70倍も高まることがわかった。他の野菜や果物では数倍程度しか高まらなかったという。

 抽出した成分を分析すると、「DDC」が遺伝子を活性化する作用を持っていた。久米准教授は「活性酸素が原因となる疾患を抑える薬の開発につなげたい」と話す。

                                        2012年8月7日 提供:読売新聞