米政府は在日米国人にヨウ素剤配布
「予防的措置」で、日本政府は?

 【ワシントン共同】東日本大震災による福島第1原発の事故で、米政府は日本に滞在する軍人を含む米政府職員とその家族らに対し、放射線被ばくによる健康被害を抑える「安定ヨウ素剤」を配布することを決めた。国務省が21日発表した。

 放射性物質漏れがさらに深刻化した場合の「予防的措置」。米原子力規制委員会(NRC)が米国内での放射性物質漏れ事故を想定して定めた基準に照らし実施される。

 ヨウ素剤配布の対象となるのは東北、関東地方の全都県と新潟、静岡、長野、愛知県滞在者。国務省は、風向きなどの天候条件に大きく左右されるが、低レベルの放射性物質による汚染はより広範囲に及ぶ可能性があると指摘した。

 フランス外務省も17日、在日大使館を通じて東京周辺在住のフランス人に安定ヨウ素剤の配布を始めたと発表していた。

2011.03.22 記事提供:共同通信社