脳梗塞を起こす感染症は歯周病菌も忘れないでね

食中毒女性、脳梗塞で死亡
サルモネラ菌が引き金か
大阪府警、関連を捜査


 大阪府枚方市の飲食店で10月に食事をした客の女性(71)=同市=がサルモネラ菌の敗血症(全身感染症)とみられる食中毒症状を訴えて緊急入院し、18日後に死亡していたことが2日、遺族や捜査関係者への取材で分かった。

 死因は脳梗塞だが、主治医は遺族に「食中毒が死亡の引き金になったとみられる」と説明。府警は食中毒が女性の死期を早めた業務上過失致死の疑いもあるとみて、因果関係を慎重に捜査している。

 厚生労働省によると、サルモネラ菌を原因とする死亡事例は2005〜09年で2件。しかし専門家は「患者の状態が悪ければ別の病気が悪化し死亡することはあり得る。統計には表れないが、食中毒に起因した死亡事例は多いのでは」と指摘している。

 遺族や捜査関係者によると、女性は10月18日昼、この店で友人らと会席料理を食べ、間もなく下痢や吐き気を訴え病院で診察を受けた。一時帰宅したが症状は続き、同20日に意識を失い緊急入院。同26日の検査で脳梗塞が見つかり意識レベルが安定しないまま、11月5日に亡くなった。

 主治医らによると、女性はもともと高血圧や高脂血症で、サルモネラ菌の毒素が末梢(まっしょう)血管を広げたことで血圧が低下、脳への血流が落ちて脳梗塞になったとみられる。

 死亡女性を含むこの店の客15人からサルモネラ菌を検出。14人は軽症だったが、女性は持病で飲んでいた鎮痛剤による腸の粘膜障害で菌が拡大し、ほかの感染者より重症化した可能性もある。

 府は、店を2日間の営業停止にし、感染ルートを調べている。府によると、女性の死亡は食中毒としてカウントしていない




2010.12.3 記事提供:共同通信社