第7回日経健康シンポジウム

21世紀の高脂血症
21世紀の高脂血症−健やかな人生を送るために
第7回日経健康シンポジウム「21世紀の高脂血症−健やかな人生を送るために」(主催・日本経済新聞社、後援・厚生労働省、協賛・万有製薬)が先ごろ、東京・大手町の日経ホールで開催された。高脂血症は動脈硬化を促進する最大の危険因子。自覚症状がないままほうっておくと、やがて心筋梗塞(こうそく)や脳卒中などの重篤な病気につながる恐れがある。同シンポジウムでは、この高脂血症と動脈硬化の予防法や症状を改善をする方法について、食事、運動、医療の3つの側面から多角的に検討した。

パネリスト
茨城キリスト教大学生活科学部教授 板倉弘重氏
管理栄養士、えいよう塾代表               井上八重子氏
青森大学社会学部教授、エッセイスト、ジャーナリスト   見城美枝子氏
順天堂大学スポーツ健康科学部教授             武井正子氏
東京大学医学部薬剤免疫学講座助教授            山崎 力氏

司会
日経メディカル開発顧問                  盛 宮喜氏

茨城キリスト教大学生活科学部教授   板倉弘重氏
心筋梗塞や脳卒中の基盤に 高脂血症判定基準に新提案

日本人の死因のトップはがんです。第2位には心臓病、第3位には脳血管疾患が続いており、この2つを合わせると、がんとほぼ肩を並べます。それぞれの中で最も怖いのは心筋梗塞と脳卒中で、いずれも動脈の壁が厚くなって血管内部が狭くなったり、弾力性を失ってもろくなる、動脈硬化が基盤となって発症します。

心筋梗塞は心臓の冠動脈が詰まり、周囲の心筋が壊死(えし)することで起こります。重症だと突然死することも多く、欧米人の死因のトップになっています。脳卒中は脳の動脈が詰まったり、破れて起こる病気です。脳梗塞、脳出血、くも膜下出血が代表的で、仮に一命をとりともても半身不随、言語障害、痴呆(ちほう)などの後遺症が高頻度で残ってしまいます。

動脈硬化は老化現象の1つです。だれでも10代、20代のころから徐々に進行しますが、問題なのはそれが年齢に応じた生理的範囲を大きく超えて進んでしまうケースです。しかも厄介なのは、動脈硬化には自覚症状がないため、血管内部がもともとの25%程度まで狭くなっても、何の変調も感じない人がたくさんいることです。

動脈硬化に大きく関与するのは血液中のコレステロールと活性酸素です。コレステロールは細胞膜やステロイドホルモン、胆汁酸などを作るために必要ですが、コレステロールを全身の細胞に運ぶLDLが多過ぎたり、余分なコレステロールを回収し肝臓に戻すHDLが少な過ぎるとコレステロールが動脈壁にたまりやすく、それが活性酸素にさらされると次第に動脈硬化が起こってきます

動脈硬化を促進する最大の原因は高脂血症です。高血圧や糖尿病、また腹部肥満、喫煙、遺伝的素因、ストレス過多、運動不足、食生活の乱れなども促進要因で、これらの危険因子が多い人ほど進行しやすいことになります。歯周病や口内炎などの炎症やホモシステインというアミノ酸の一種が増えていることも促進要因になります。高脂血症は血液中の脂質が異常に多い病気で、血清1dl中の脂質量で判定します。日本動脈硬化学会の基準は総コレステロール220mg/dl以上、LDLコレステロール140mg/dl以上を高コレステロール血症、中性脂肪150mg/dl以上を高中性脂肪血症としています。またHDLコレステロールが低すぎても問題なので、40未満を低HDLコレステロール血症としています。

そして、これらの基準を科学的に裏付けるためJ−LITという大規模臨床試験が、約5万人の日本人高脂血症患者を対象に1994年から99年まで行われました。シンバスタチンという高脂血症治療薬を6年間にわたって投与し、治療後のコレステロールのレベルと心臓病の発症との関連を調べたわけです。

その結果によると、心筋梗塞の発症率が特に高かったのは治療後の総コレステロールが240mg/dl以上、LDLコレステロールが160mg/dl以上の群でした。またHDLコレステロール値が高い人ほど、発症の度合いが小さいことも確かめられました。こうした結果からいま、日本動脈硬化学会では高脂血症の基準を新しく作り直そうという提案が行われています。

ただ、基準はあくまでも一般的な指標です。コレステロール値そのものにはそれほど異常がなくても、ほかに動脈硬化の危険因子を持っていれば、心筋梗塞や脳卒中が発症する可能性はぐんと高まります。したがって、すべての危険因子を綜合的に考えた上で、一人ひとりが目標とすべき値を決めることが大切になってきます。

高脂血症ひいては動脈硬化の促進を予防するためには、生活習慣を見直し、改善することが必要です。適度な運動を習慣づけ、睡眠や休養も十分にとります。食事では過食を避けて適正体重を維持し、油は一値不飽和脂肪酸を中心にします。食物繊維を多く含む野菜類や、ビタミンE、ビタミンC、ポリフェノールなどの抗酸化物質も十分にとることです。

薬物療法が必要なケースでは症状、体質、他の危険因子の有無などに応じ、適切な薬が処方されます。例えば総コレステロール値やLDLコレステロール値が高い場合はシンバスタチンなどのHMG−CoA還元酵素阻害薬が第一選択で使われますし、中性脂肪値が高い場合はフィブラート系やニコチン酸の薬がよく使われます。

年を取ってから毎日を元気で暮らすには、動脈硬化の進行をいかに防ぐかが重要なポイントです。そのためには、自分にとっての望ましいコレステロール値を見極め、栄養や運動のバランスに気をつけて、血液と動脈の若さをできるだけ保ち続けるようにしたいものです。

脂肪の取り過ぎに注意 食物繊維で体外へ排出管理栄養士
  えいよう塾代表   井上八重子氏

高脂血症の予防という点から見ると、日本人の食生活には2つの問題があります。1つは脂肪摂取量が適正範囲を超えて増加していることです。エネルギー摂取量に占める脂肪エネルギーの適正比率は約25%。1日の摂取エネルギーが2000キロカロリーなら500キロカロリーで、脂肪約50グラムに相当します。例えば霜降り肉はほぼ半分が脂肪なので食べ過ぎは禁物です。

また脂肪は肉、植物、魚から4対5対1の割合で取るのが好ましいとされています。特にオリーブ油などに多く含まれている一価不飽和脂肪酸のオレイン酸には、LDLコレステロールを減らすうえに、酸化しにくいという長所があるので上手に活用したいものです。気をつけたいのは隠れた脂肪。洋菓子、ペストリー類は意外に多くの脂肪を含むので要注意です。

もう1つの問題点は、食物繊維の摂取が不十分なことです。1日に必要な食物繊維は20から25グラム。食物繊維にはコレステロールを体外に排出したり、脂肪の吸収や中性脂肪の合成を抑制するなど、様々な働きがあります。野菜や海藻、キノコ類をまんべんなく食べることが大切で、とりわけ緑黄色野菜には抗酸化作用もあるのでお薦めです。

栄養指導をしていて感じるのは、野菜を食べていると思っている人でも、朝食時には意外に取っていないことです。忙しかったら納豆や作りおきのきんぴらでもいいし、キュウリやトマトなら生でも食べられます。バナナ1本、野菜ジュース1杯でもいいでしょう。

ただし、食物繊維を必要以上に取り過ぎたりすると、かえって胃の調子が悪くなったりすることもあります。
高脂血症の予防には、何でもほどほどにバランスよく食べることが最も大切といえるでしょう。

効果大きい有酸素運動 抗重力筋を十分に使う
  順天堂大学スポーツ健康科学部教授   武井正子氏

高脂血症の予防には安全で適度な運動が役に立ちます。運動にはHDLコレステロールを増やし、中性脂肪を減らす効果があることが、多くの研究から明らかになっているからです。特に効果的なのは酸素を十分に取り込みながら、息切れせずに長時間持続できる有酸素運動です。ウォーキングをはじめジョギング、サイクリング、水泳や水中運動、エアロビックダンスなどがそれに当たります。

運動の強さの目安はカルボーネン法という計算方法で、目標心拍数を求めることによって決めることができます。目標心拍数は220から年齢と1分間の安静時心拍数を引いた数値を0.4から0.6倍し、これに安静時心拍数を加えると出てきます。ウォーキングの場合、1分間の心拍数がこの目標心拍数になるように、よい姿勢でサッサッと歩きます。この程度の運動を1回30分から1時間、毎週3、4回行うといいでしょう。

ただし30分から1時間続けて歩くのは、けっこう大変です。特に中高年齢者の場合は体力が衰えていたり、高血圧などの危険因子を持っていることもあります。そこでアメリカのスポーツ医学会は3年前、1日の運動時間を10分程度ずつ何回かに分けて行い、それを毎日続けることでもいいという新しいガイドラインを発表しています。

人間が直立姿勢をとるときに、体を支える様々な筋肉を抗重力筋と総称します。体全体の筋肉量の相当部分を占めますが、1日のうちでこれが使われる時間は意外に短く、平均4時間程度と見られています。高脂血症や他の様々な生活習慣病を予防するためには、適度で安全な運動を日常生活に取り入れ、抗重力筋十分に働かせて、過剰な摂取エネルギーを効率よく消費するよう努めていただきたいものです。

長期的視野の治療法で動脈硬化の進行を防ぐ
  東京大学医学部薬剤疫学講座助教授   山崎 力氏

心筋梗塞や狭心症など虚血性心疾患の治療法は、冠動脈の血流をよくする血行再建術と、じっくり長期的な視野に立って治療する方法の2通りに大別できます。血行再建術のうち外科医が行うのがバイパス手術です。冠動脈の狭くなったり詰まった部位に本人の胸や胃の動脈、大腿(たい)部などの静脈でう回路を作る方法です。

また内科医が行う血行再建術には、先端に風船がついたカテーテルを冠動脈に挿入し、狭くなったり詰まった部位で膨らませて血管を広げる方法、広げた部位に金属網で作ったステントと呼ぶ管を留置する方法などがあります。風船で広げることができない場合は、超高速回転ドリルで動脈硬化巣を削り取ることもあります。また欧米の一部では放射線による治療も行われるようになっています。

じっくり型の方法には食事療法、運動療法、薬物療法があります。薬物療法では危険因子を取り除くことが大切ですから、例えば総コレステロール値やLDLコレステロール値が高かったりHDLコレステロール値が低ければHMG−CoA還元酵素阻害薬を用いますし、血圧が高い場合には降圧薬を使います。

さらに長期的な視野に立つと血管を守る治療法もあります。そのために用いるのもHMG−CoA還元酵素阻害薬や、アンジオテンシン変換酵素阻害薬、アンジオテンシン受容体拮抗薬などの降圧薬です。これらの薬は単に悪玉コレステロールや血圧を下げるだけでなく、動脈硬化の進行を防いだり、軽度の動脈硬化を退縮させる作用もあることが分かってきたからです。

日本の虚血性心疾患の発症頻度はアメリカの4分の1程度です。しかし日本人の平均コレステロール値は食生活の変化や運動不足を背景に上昇を続け、90年にアメリカ人の平均値に追いついてしまいました。虚血性心疾患は悪玉コレステロール値の高い状態が2、30年続いて発症します。従って2020年ごろには、日本の患者数が現在の4倍以上に増えてしまう恐れもあるわけです。そうしないためには、1人ひとりが自己責任原則に基づいて生活習慣に気をつけ、コレステロールや血圧の管理もしっかり行うことが必要です。


起床後に乾布摩擦とストレッチ 牛乳は毎日、海藻類も必ず取る

司会
 高脂血症の発症には生活習慣が大きく関与しています。そこで、まず青森大学の見城先生、エッセイスト、ジャーナリストの見城美枝子さんとご紹介する方がなじみ深いかもしれませんが、その見城さんにご自身の生活習慣をご披露いただき、そこから話を進めたいと思います。

見城 いつもその通りにできるわけではありませんが、起床は午前6時半、食事は午前8時、正午と6時の3回で、間食はとりません。入浴は午後11時、リラックスするためにゆっくり時間をかけて入ります。そして就寝するのは午前零時ごろです。

食事は大の和食党で、例えば朝食だと、ご飯、みそ汁、魚、卵、青汁、ローヤルゼリーなど。昼食には野菜ジュース、夕食にはワカメやモズクなどの海藻類を必ずとっています。し好品に関しては、お酒は日本酒180ミリリットルぐらいが適量で、たばこは吸いません。

司会 血清脂質はどのくらいでしょう。

見城
 先日測ってもらったら総コレステロール値が197mg/dl、中性脂肪値が64mg/dlでした。

司会 さて、見城さんの生活習慣、専門家から見ていかがでしょうか。

山崎 お酒は日本酒180ミリリットルぐらいとか缶ビール1本ぐらいだと、血液の循環をよくし、善玉コレステロールであるHDLコレステロールを増やす効果もあるんです。若干ですが血圧も低下させます。休肝日を設けることは必要ですが、見城さんのように適量のお酒なら非常にいいと思います。

井上 乳製品をとっていらっしゃらないことが、ちょっと気になりますが。

見城 いうのを忘れていました。牛乳が好きで毎日少なくても200ミリリットル、多い日は500ミリリットル近く飲んでいます。

井上 それなら食事面の問題はありません。日本人女性はカルシウム不足の方が多いのですが、年を取って骨粗鬆(しょう)症になるのを防ぐためには、乳製品をもっととることが必要です。動物性脂肪を控えたい場合は低脂肪乳や脱脂粉乳で作ったヨーグルトなどを選べばいいわけです。

武井 運動はどうでしょうか。ウォーキングは骨粗鬆症の予防効果も大きいことがわかってきていますし、背骨が曲がらないようにするには無理しない程度に背筋と腹筋を鍛えることも必要です。それと筋力が衰えないようにストレッチを取り入れるのもいいと思います。

見城 私、1つだけぜいたくをしていて、シルクのパジャマを愛用しているんです。バーゲンがあると飛んでいって買うんですね。毎朝起きたら、それでダダダッと乾布摩擦をする。それから洗面台に足をかけてストレッチを5分ぐらい。夜はベッドに仰向けになり、足をL字型に立てて空中に数字を書くんです。0から始めて10までいったら今度は逆からやって、それを3セット繰り返しています。

武井 いいですね。あとは車をなるべく使わないとか、駅のエスカレーターなどもできるだけ避けて階段にするとか、そういった習慣をつければもっとよろしいのではないでしょうか。

見城 いつも、本とか資料とか着替えの洋服とか、10何キロも入ったバッグを持って移動しているんです。それで歩くとかえってひざを悪くしないか心配なのですが。

武井 年を取るに従って、大腿部前面の大腿四頭筋という筋肉は急速に衰えてきます。いすに座って脚部を上げ下ろしする運動を取り入れたり、上半身の筋力アップを図ることも必要です。

板倉 コレステロールですが、HDLコレステロール値はどのくらいでしたか。

見城 先ほどの数値は生命保険に入るときに、保険会社に調べてもらったもので、HDLやLDLがどうだったのかは聞いていません。

板倉 次に検査を受けるときには、必ずHDLコレステロール値を聞いてください。それからLDLコレステロール値ですが、これは総コレステロール値からHDLコレステロール値を引き、さらに中性脂肪値を5で割った数値を引けば出てきます。


コレステロール値下げるとがんになるは誤解

司会 次に、会場のみなさんからたくさんの質問をいただいていますので、そのうちから代表的なものいくつかにお答えいただければと思います。まず卵、コレステロールが心配ですが、どのくらいなら食べていいのですかという質問です。

板倉 体には食事から入るコレステロールと肝臓が作るコレステロールのバランスをとって、コレステロールが極端に変動するのを防ぐ仕組みが備わっています。ですから、卵にはたんぱく質、ビタミン、ミネラルなどが豊富ですし、1日1個ぐらいはむしろ食べたほうがいいと思います。

井上 控えめにするのはコレステロールが多い方ですね。総コレステロール値が250mg/dlなら2日に1個、300mg/dlなだ1週間に1、2個というふうに栄養指導しています。

司会 運動に関しては2つにお答えください。1つは効果が表れるまでの期間、もう1つは継続するこつです。

武井 いろいろな報告を見ると、中性脂肪については2、3ヵ月で少しずつ低減効果が出てきていますが、コレステロールについてはもう少し期間が必要なようです。ただ運動には筋力や骨を鍛えたり、循環器系の機能を改善したり、ほかにも様々な効果がありますから、あまり狭く考えない方がいいと思います。

継続するこつですが、まず高脂血症の予防とか、もっと広く健康の維持になぜ運動が必要なのかを、頭でしっかり理解することが大切です。それから家族や仲間と連れ立って歩いたり、目標を達成できたら自分へのごほうびを考えるなど、楽しんで運動することも継続のこつです。

司会 がんとコレステロールの関係についての質問もあります。コレステロール値を下げるとがんになるという説がありますが、本当ですかという内容です。

山崎 全く誤解です。日本動脈硬化学会の基準では、総コレステロール値が200mg/dl
未満、LDLコレステロール値が120mg/dl未満を適正域としていますが、栄養失調のためにこれより大幅に低い状態の人がまれですがいらっしゃいます。そういう状態が続くとがんや脳出血になりやすいことは、昔からよく知られています。また、コレステロール値を薬を使って下げた人と下げなかった人を直接比べ、下げると心筋梗塞や脳卒中が減ることを証明した研究はありますが、その研究ではがんは全く増えていません。

それからわれわれ内科医が悪玉コレステロール値を下げるために薬を投与すると、中に極端に下がる人がいます。例えば20から30mg/dl下がるかなと思っていると、100mg/dlぐらい下がってしまう。実はこういう人も、体のどこかにがんが隠れていることがあるんです。ですから質問にあった説は、原因と結果をはき違えていっているんですね。

司会 最後に総まとめの意味も含めて、板倉先生に一言お願いしたいと思います。

板倉 私たちは、それぞれ両親から受け継いだ体質を持っています。同時に私たちは、環境の中で生きてもいるんですね。従って仮に何かの病気の遺伝的素因を持っていても、生活習慣を改善することによって、それを発症させないようにすることは十分可能なわけです。動脈硬化や高脂血症、さらに体全体のことを考えながら、1人ひとりが自分の体質に合った食事と運動を心がけ、休養も十分に取る。そうしたことが充実した健康な一生につながってくるのだと思います。

司会 動脈硬化、高脂血症は自覚症状なしにジワジワと忍び寄ってくるため、サイレントキラーと呼ばれています。しかし正しい生活をしていれば、それを防ぐことができる。今日からでも遅過ぎるということはありませんから、ぜひ生活習慣の改善に取り組んでいただきたいと思います。ありがとうございました。

(2001.9.29 日本経済新聞)