しつけのナゾ


「側頭部が痛い」「首の付け根がずきずきする」――。そんな訴えをする人の中に、仕事をするときの姿勢が原因の場合がある。パソコンなどに向かってうつむいた姿勢を長時間続けることで起きる状態で、杏林大学神経内科の作田教授は「うつむき症候群」と呼ぶ。

首を前にかがめたままでいると、首の後ろの筋肉が緊張した状態になり、その部分のじん帯が傷む。その結果、痛みが側頭部、さらに前頭部へと広がったり、肩こりになったりする。ひどくなると、痛みが翌日まで続くこともある。

防ぐためには、頭を垂直に保つ。本を頭頂部に置き、落ちないような姿勢で仕事をすることが大切だ。「パソコンを打つときは、30分−1時間ごとに休息を」と作田教授。通勤電車でも、この時期、うつむき加減で居眠りする人が多い。ご用心。

(2001.7.14 日本経済新聞)