慢性膵炎、飲み過ぎに注意


 忘年会のシーズンがやってきた。食べ過ぎや飲み過ぎで負担がかかる臓器といえば、胃腸や肝臓がまず思い浮かぶが、飲食物を消化して血糖値を正常に保つ働きがある膵(すい)臓にも注意を払いたい。
 中でも慢性膵炎にかかる患者が年々増えている。特に中高年に多い。
 膵臓で繰り返し炎症が起こり、細胞が破壊されて臓器が萎縮する状態が慢性膵炎。背中やみぞおちに痛みやだるさを感じるようになり、食欲不振や下痢、吐き気なども引き起こす。病気が進行するとこれらの症状が出なくなったり、糖尿病につながったりする場合もある。
 アルコールの飲み過ぎや脂肪分が多い食事が主な原因だ。高コレステロールによる胆石の発症も一因とされる。また薬の乱用も関連していることが分かってきた。
 東海大学の西崎泰弘准教授は、「アルコールは、1日にビール中ビンなら2本、日本酒だと2合程度にとどめる。揚げ物など高脂肪食はなるべく避ける。コレステロールの吸収を抑える食物繊維を多く取ることも大切だ」と話す。

慢性膵炎の特徴
・背中やみぞおちにだるさや痛みを感じる
・食欲不振や下痢、吐き気を引き起こす
・アルコールの取りすぎ、脂肪分の多い食事、胆石が主な原因
・薬の乱用も一因
・50−60歳代、男性に多い

2007.12.9 記事提供 日経新聞