殺虫剤スプレーの副作用?

殺虫剤が狼瘡と関節リウマチのリスクを上昇させる可能性がある

殺虫剤を使用する女性は自己免疫疾患のリスクが上昇したことが研究で明らかに
Charlene Laino

 【10月20日(フィラデルフィア)】家庭や庭で殺虫剤をスプレーする女性は関節リウマチと狼瘡のリスクに曝されている可能性があることが、研究で明らかになった。

75,000例以上の女性を対象にした研究において、殺虫剤を1年間に6回以上使用した女性は、虫と共存するやり方を選んだ女性よりも、自己免疫疾患の発現リスクが2.5倍近く高かった。

同様に、殺虫スプレーを家庭で20年以上使用すると、リスクが2倍以上に上昇した。

庭師を雇うかまたは営利会社に依頼して殺虫剤を散布した時もリスクは2倍以上に上昇したが、それは長期間使用した場合に限られたと、米国立環境衛生科学研究所(ノースカロライナ州リサーチトライアングルパーク)の疫学者Christine G. Parks, PhDは述べている。

「我々の新規結果は、一部の人々において、環境因子が自己免疫疾患の感受性を上昇させる、またはその発現を誘発するという考え方を支持する」と、博士は述べている。

研究では因果関係は証明されないが、「殺虫剤の使用に関連するどの化学物質または他の因子によって、これらの知見を説明できる可能性があるかどうか、我々は考え始める必要がある」とParks博士はWebMDに語っている。

研究者らは、主として白人の50 - 79歳の閉経後女性76,861例に関するWomen's Health Initiative Observational Studyのデータを使用した。全体の178例が関節リウマチであり27例が狼瘡であった。その他に8例の女性には両方の疾患があった。研究の一部として、女性に農業および殺虫剤の使用に関連する多数の質問を行った。

「これは重要なことであるが、観察された関連性は、農業経験、年齢、人種、民族的背景、教育や職業のような社会経済的因子、喫煙、ならびに疾患の他のリスクファクターを含む、我々が検討した他の因子によって説明されなかった」とParks博士は述べた。

興味深いことに、研究では過去に農場での労働または生活を経験したことによって、関節リウマチまたは狼瘡のリスクが上昇するようには思われなかったと、博士は付け加えた。これまでの研究で、農業および農業用殺虫剤への曝露と、これらの疾患との関連が明らかになっている。

知見は米国リウマチ学会の年次総会で発表された。

Parks博士によると、研究では、米国の家庭の4分の3が家または庭で殺虫剤を使用していると回答し、20%の家庭が前の月に殺虫剤を使用していた。

「家での殺虫剤曝露は、殺虫剤が家庭の環境においては分解されないため非常に持続する可能性がある」とParks博士は述べている。

知見は曝露がより多量で、より長期にわたるほどリスクが大きいことを示しているため「かなり説得力がある」と、ノースウェスタン大学フェインバーグ医学部の准教授Darcy Majka, MDは述べている。

「今、我々は再評価する必要がある。どの製品にリスクがあるのか?[責められるのは]皮膚曝露か、それとも吸入か?」と博士は述べている。

差し当たり「重要なことは、[製品に記載されている]指示に従い、化学物質曝露を制限する他の手段を講じることである」とMajka博士はWebMDに語っている。

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2009.10.30 提供 WebMD