経口抗ヒスタミン薬患者数シェア

第1回 経口抗ヒスタミン薬の患者数シェア

2007年12月から2008年5月の期間内で、対象薬剤を1つでも服用した実患者数データ。患者は15歳以上で、皮膚科、耳鼻咽喉科、内科の処方箋から抜粋した。比較薬剤は、成分ではなく、発売された世代で区別した。

処方からわかること

1 内科系の処方患者数を見ると、「フェキソフェナジン(17.4%)」「オロパタジン(10.1%)」の割合が、皮膚科と耳鼻咽喉科に比べて少なかった。そのかわり、「第一世代(19.3%)」薬の処方患者数が突出して多く、しかもこの「第一世代」薬のうち、6割以上に「クロルフェニラミン」が処方されている。これは、使いやすい「第二世代」薬の存在を知らない内科医が多いためだろうか?
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2 皮膚科の処方患者数を見ると、「メキタジン(3.7%)」「オキサトミド(0.9%)」の割合が、内科系と耳鼻咽喉科に比べて少ない。皮膚科特有の理由があるのか?
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3 耳鼻咽喉科の処方患者数を見ると、「エピナスチン(9.8%)」の使用割合が、内科系と皮膚科に比べて少ない。これは、「メキタジン」の投与患者数が比較的多いことと関係しているか?
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4 内科系、皮膚科、耳鼻咽喉科のすべてにおいて、「第一世代」薬の中で1番多く患者に処方されたのが「クロルフェニラミン」だった。妊婦への投与が可能な点と、中枢神経抑制作用が少ない点が、広く認知されて使われているためか?
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投稿コメント

第一世代薬の処方患者数が突出して多く、第一世代薬のうち、6割以上にクロルフェニラミンが処方されている

内科医 (呼吸器内科・男・29)2009-02-25 11:44
アレルギー症状で夜眠れないという患者には,眠気の副効用がある第一世代が使いやすい。また呼吸抑制が懸念される患者の鎮静にアタPを使うなど,他科より薬効を決め細やかに考えるのが内科医の特徴であると思う。
ミュー (耳鼻咽喉科・男・37)2009-03-06 08:29
第1世代の方が眠気が多く出ることは確かですが,眠気が全くない人もいます.薬価は第1世代が圧倒的に安いことや第2世代で効果が不十分な人に第1世代を追加して処方することを考えると,患者さんのことを考えて,ある程度第1世代が使われているのだと思います.
麻酔・ペインクリニック (麻酔科・男・47)
抗アレルギー薬は効果が強いもの(第一世代)は、副作用(眠気)も強く、逆に眠気の少ないものは抗アレルギー薬は効果が弱い。とりあえず症状の緩和を優先したいときは第一世代を処方し、症状が落ち着いたところで第二世代に切り替えます。また、第一世代を処方する際は、昼間は少量、就眠前に多量を処方する様にしています。

内科系、皮膚科、耳鼻咽喉科の全てにおいて、第一世代薬の中で1番多く患者に処方されたのがクロルフェニラミン

なんでも内科 (内科・男・41)2009-03-01 20:50
第一世代の抗ヒスタミン薬は、ひどい蕁麻疹のときくらいしか使いません。使うとしてもポララミンだけ。ほかは使ったことないし。妊婦には抗ヒスタミン薬は使っていない。花粉症だとすれば、点鼻薬とマスクで十分でしょう。「中枢神経抑制作用が少ない」って…。十分眠くなると思うけど。
外科医の独り言 (呼吸器外科・男・33)2009-03-06 12:04
確かにアレグラの処方数が一番多い気がするけど、速効性とか眠気対策からすると、医師が自分に処方する場合、エバステルやジルテックが多いような気がします
自分も花粉症。 (産婦人科・男・33)2009-04-10 18:28
ジルテックやクラリチンは妊娠・授乳期も比較的安全に使用できるとされているので、今後は第2世代でのシェアも変わるってことでしょうか??ちなみに参考に。ゼロから学ぶ花粉症診療ゼミナール【連載第7回】

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なんでも内科 (内科・男・41)2009-03-01 20:54
時期的に花粉症での使用を想定しているようですが、6月から11月だと傾向は何か違うんでしょうか。
yang606 (内科・男・43)2009-04-10 17:18
impaired performance を起こしにくい薬剤や、クラス内でも眠気などに差があることが、きちんと評価されているのか不安ですね。 製薬メーカーは売るために限りなく灰色のデータを示しますから、プロたる医師サイドが科学的吟味をしないといけないように思うのですが、皆さん如何お考えでしょうか?



2009.2.17 記事提供 日経メディカルオンライン