がん予防は食事から

食生活改善などでがんを大幅に予防 WCRFなどがリポート

【ロンドン26日PRN=共同JBN】26日発表されたがん予防のため研究に基づく勧告によると、いくつかの国における大腸がんと乳がん症例の40%以上は健康的な食事方法、身体活動、体重管理を通じて予防できる

世界がん研究基金(WCRF)と米国がん研究所(AICR)が26日発表した研究リポート「がん予防の方法と活動」は、英国における大腸がん症例の43%と乳がん症例の42%が上記の方法で予防できたはずであるとしている。

このリポートの全体的なメッセージは、政府から家庭に至るまであらゆるセクションが公衆衛生、とりわけがん予防を最優先にすべきであるとしている。リポートは食生活、身体活動、体重管理を通じて予防できるがんの割合を推定しており、この問題がいかに重要であるかを強調している。

米国については大腸がん症例の45%と乳がん症例の38%がこの方法で予防できるとしている。リポートはまた低所得、中所得の国として中国、ブラジルにおけるがんの予防推定率をあげている。

全体としての推定は、高所得国で最も一般的ながんの3分の1、低所得国では4分の1が予防可能としている。これらの数字にはそれだけでがんの3分の1の原因とされる喫煙は含まれていない。

この実証的リポートの一環として世界的に著名な23人の専門家によるパネルは社会のそれぞれのグループ全体にまたがる48の勧告を行っている。これには以下が含まれている。

*学校では身体活動を積極的に推奨し児童には健康的な食事を提供する。

*学校、職場、公共機関では自動販売機で不健康な食品を扱ってはならない。

*政府は身体活動を奨励するためウォーキングやサイクリング用のルートを広範に設けるべきである。

*食品・飲料業界は生産段階で明確に公衆衛生を優先させなければならない。

パネル議長のサー・マイケル・マーモット教授は「このリポートは比較的分かりやすい変化で世界のがん症例の数を大幅に減らせることを示している」と指摘しさらに次のように述べた。

「リポートは政府のトップから家族のために毎週食料品を買う人にまで関係しており、全体のメッセージはすべての人が公衆衛生全般を守り、特にがん予防をもっと優先させるべきだという点にある」。

2009.3.2記事提供 共同通信社