落とし所は、全面禁煙しかありません。
経費コスト掛けて分煙よりも、スパッとそこに行くのが一番かしこい。
妥協なんてありえない

全国初の禁煙条例に暗雲 妥協の分煙案も、反発強く 「列島ライトアップ」

神奈川県の松沢成文(まつざわ・しげふみ)知事が2月県議会で成立を目指している全国初の禁煙条例。知事は当初、全面禁煙の方針だったが、反発を受け一部分煙の容認や猶予の対象拡大など"妥協"を重ねている。だが飲食などの業界や県議会の反対は依然根強く、成立には暗雲が垂れ込めている。

「受動喫煙から県民を守るための条例。できるだけ例外のないようにしたい」。松沢知事は昨年4月、官公庁、学校、病院のほかパチンコ店、飲食店などを含めて全面禁煙にする方針を打ち出した。

だが昨年9月の骨子案では飲食店などを対象に一部分煙を認め、抵抗の強いパチンコ店などに3年の猶予期間を設ける内容に後退した。

さらに昨年12月の素案では、パチンコ店と並んで反発の強い飲食店業界に配慮。県内の飲食店の約7割に当たる100平方メートル以下の小規模飲食店を猶予対象に加え、分煙設備にかかる費用の融資や利子補給も検討することにした。

妥協を重ねる松沢知事。周辺は「条例制定のための政治的判断。時間をかけていたら、ほかの都道府県に先を越されてしまう」と"全国初"にこだわる結果だと明かす。

これに対し県議会は経済情勢の悪化などを理由に挙げ「2月議会は予算案審議が最優先」「パチンコ店や飲食店の経営悪化につながりかねない」と慎重姿勢を崩していない。

知事と県議会は知事の多選禁止条例をめぐっても対立。県議会は2006年12月に否決したが、執念を燃やす知事は07年9月に再提出。結局、付則で条例を当面施行できないようにした上で翌10月に条例が成立した。知事が全国初の条例という名を取り、施行しないことで県議会は実を取るという双方のメンツを立てた格好だ。

今回も落としどころはあるのか。禁煙条例は07年4月の知事選で松沢知事がマニフェスト(公約集)に掲げた重要政策の一つで「これ以上譲歩することはあり得ない」(知事周辺)。県議会も「このまま通すことはない」と一歩も引かない構えだ。

ある県議は「2月議会は継続審査だろう」と時間をかけて妥協点を探ることを予想。別の県議は「この問題は最終的に禁煙か喫煙しかない。落としどころを見つけるのは難しい」と否決もあるとの見方を示している。

2009.1.6 記事提供 共同通信社