特にカルシウム不足は重要だ



食事からの栄養管理は生活習慣病から身体だけでなく、精神も守ってくれる。
日本人に慢性的に不足する、カルシウム、は重要な働きがある

どうして?キレる激増 特集ワイド


普段はまじめで仕事熱心な人が突然キレて、時には歯止めが利かなくなる--こんな中高年が増えている。中高年層が引き起こすトラブルや暴行事件は、この約10年間で激増した。働き盛りで分別をわきまえたはずの人たちが、なぜキレるのか。【田中義宏】

◇現代人の生活に起因--ストレスは早く解決を

東京都新宿区、IT関連会社勤務の男性(38)は今月上旬、こんな経験をした。朝の通勤ラッシュで混雑する、東京メトロ南北線四ツ谷駅と永田町駅間の車内。電車に乗り込んできた人たちに押されて、思わず40代-50代の背広姿の男性にもたれかかった。すると、男性は無言のまま顔を赤らめて怒り、両手で力強く突き飛ばすように押し返した。男性会社員は「ラッシュ時間帯のどうしようもないことで、私の責任を問われても……。なぜ、あれだけ極端にキレたのかわからない」と話す。

キレる対象は、見知らない人ばかりとは限らない。「進研ゼミ」で知られる通信教育最大手「ベネッセコーポレーション」(岡山市)で、53歳の男性執行役員(当時)が会議中に部下の男性を殴っていたことが発覚した。同社などによると、執行役員は9月25日夕、東京都内で会議中、部下と口論となった。退席した部下を追いかけ、ほおを2回殴ったという。同社が本人から事情を聴いたところ「(会議を)本気でやりたいという表れだったが、大人げなかった。申し訳ない」と謝罪したという。

政界でキレたのは、民主党の小沢一郎代表(65)だ。党首会談で福田康夫首相と「大連立構想」を約束したものの、身内の民主党役員に反対されたために、一時は辞意表明する騒ぎになった。「気力も途切れてプッツンした」。小沢代表は3日後、党両院議員懇談会でこう釈明した。

警察庁によると、今年上半期に暴行容疑で逮捕・書類送検された容疑者を年代別にみると、30代が2543人(前年同期比13・6%増)、40代が1820人(同11・4%増)、50代が1908人(同14・5%増)、60代以上が1468人(同21・9%増)となった。刑法犯全体の届け出件数は、92万5931件(同7・1%減)と5年連続で減少したにもかかわらず、キレた中高年人数は14-19歳782人(同6・3%増)、20代1917人(同10・1%増)に比べても高い増加率を示す。

また、98-06年の9年間で見ると、暴行容疑で逮捕・書類送検された容疑者は、10代が00年をピークに減少傾向なのにもかかわらず、40代の人数は3・6倍、50代は5倍と激増している。

電車内ではどうなのか。大手私鉄16社、JR3社などがまとめた04年4月-今年3月の「鉄道係員に対する暴力行為の件数・発生状況」の調査では、年齢が判明した加害者のうち、20代以下は全体の17・8%だったが、30代21・3%、40代21・1%、50代25・9%、60代以上13・9%だった。また全体の約8割は酔っていたが、約2割は酒を飲んではいなかったという。

日本民営鉄道協会広報室によると、駅員が客同士のトラブルの仲裁に入って殴られたり、自動改札機に定期券を忘れた客に声をかけて突然殴られたほか、寝入った酔客に終電や終点を告げただけで暴力を振るわれるケースもあるという。

各社とも主要駅やターミナル駅に混雑整理の名目で警備員や監視カメラを増やすなどの対策をとっているが、決定的な歯止めにはなっていない。同広報室の長谷川洋造さんは「警備員の服装だと暴行を受けにくい傾向にあるようだが、いずれにしても年々増える傾向です」と話す。

「キレる」とは何か。1998年11月に発行された広辞苑第5版で「切れる」を引くと(1)(つながっていた事物が自然と)分れ離れる。切断される(2)(物事に)裂け目が出来る。破れる--など、12項目のうち、ようやく(11)で「我慢が限界に達し、理性的な対応ができなくなる」と登場する。来年1月に刊行される第6版では「逆切れ」が登場するという。

「キレる」という言葉がよく使われるようになったのは、98年1月、栃木の中学校で発生した教師殺害事件だ。女性教諭に「トイレに行く時は先生に言いなさい」などと諭された中1の少年が、持っていたナイフで切りかかった。当時は「暴走する若者たち」がクローズアップされたが、10年ほどが経過し、大人までもが歯止めがきかなくなった。

人はどのような原因でキレるのか。脳神経に詳しい有田秀穂・東邦大学医学部教授(統合生理学)は「心と体を調整する機能を持つとされる脳内の物質『セロトニン』の欠乏が原因」という。セロトニンが欠けると、それを伝達物質として使う「セロトニン神経」が弱まり、行動を制御する「前頭前野」の機能が低下する。このため、取るに足りないことをきっかけにした他人への衝動的な攻撃を抑制できない状況に陥る。

セロトニンが少なくなるのはなぜか。有田教授は「80年代以降のパソコンの普及や、24時間営業のコンビニエンスストアなどが広まったことで、完ぺきに昼夜逆転できるようになった。昼夜逆転の生活を長く続けると、脳内のセロトニンが分泌されず、同神経が機能低下し、心と体を制御できなくなる」と指摘する。

では、キレないためには、どのようなことを心がけたら良いのか。精神科医の香山リカさんは五つの方法を挙げた=別表。

香山さんは「心理的原因だけでなく社会的原因にも起因する。例えばサービスを受ける権利意識の高まり。『お金を払っているからこれぐらいのサービスは当然だ』といった考えが背景にある」と分析する。

その上で、「若者に怒って、顔を真っ赤にしている自分の姿を客観的にみたり、怒る対象を『プロ』などと思わずに同じ人間とみなすなど、立場を置き換えてみることが大切。また、原因となるストレスはその場で解決したり、解決できない場合は、災難と思ってあっさり忘れることが必要」と話す。

セロトニン 【せろとにん】
脳内の神経伝達物質のひとつで、必須アミノ酸であるトリプトファンの代謝過程で生成されるもの。ほかの神経伝達物質であるドーパミン(喜び、快楽)、ノルアドレナリン(恐れ、驚き)などの情報をコントロールし、精神を安定させる作用がある。セロトニンが不足すると感情にブレーキがかかりにくくなるため、快楽から抜け出せずに依存症に陥ったり、うつ病になりやすいなどといった指摘もある。

生理的活性アミンの一種。必須アミノ酸のトリプトファンから生合成される脳内の神経伝達物質のひとつ。視床下部や大脳基底核、延髄の縫線核などに高濃度に分布している。

セロトニンが低下することで動物の攻撃性は高まることが知られている。

うつ病やパニック障害などの疾病が体内のセロトニンと深くかかわっていることが分かってきている。

「癒しのメカニズム」
セロトニンが多ければ、不快物質ノルアドレナリンや快感物質であるドーパミンも減らすので、癒されたり落ち着いたりブレーキがかかるということで、脳内にある縫線核(ほうせんかく)という部分からシナプスを経て受容体に放出されたセロトニンのシナプスへの再回収が減っている現代人は不足なのだそうです。

そして、セロトニン不足の原因は慢性的なストレスであり、これがストレス物質コルチゾールを出させるのでシナプスにある再取り込み口を塞いでしまう、

「身体への影響」
まずセロトニン分泌は昼間に多く夜に少なくなると言う放物線を描くのだそうで、不足の人は身体調節の命令が伝わらなくなるので身体の不調が起きるのだという事

セロトニン不足が原因で起きる体の異変は、睡眠時無呼吸症候群、低体温、ぜい肉、悪い姿勢だということです

「解消法」
さて、最後が解消法です。要するに縫線核からの分泌を増やし原料を食出る、分泌を増やすためには生体リズムから考えて強い光が必要(これは太陽光ももちろんですが、ダイヤモンドや、ゴールド、クリスマスや、星のイルミネーションなど、キラキラと輝く幸せの輝きでも、オーケー)、更にセロトニンは1秒に2回のリズムで分泌するということで、1日5分以上太陽の元で1秒に2回の軽快なリズム的な運動をすればいいのだ。

通勤途中でもそれくらいは歩くことで充足されるだろう、ストレス下での心のあり方で、分泌量も変化するので、前向きな考えや、笑いという、至福感の感じ方も重要。自分をだませということで、ストレスに対する抵抗力も上る。

続いて、食材紹介です。セロトニンの原料であるトリプトファンを多く含む赤味の魚、肉、乳製品や、ビタミンB6が多い香辛料を使えば補給はできるのだそうですが、この食材を見てわかるように、肉類は食いすぎるほど日常食ってB6は不足してないしでむしろ過剰。なのに、今の日本人はセロトニンが不足して癒されてないと言う。

要するに食の吸収バランスが取れていない、消化吸収する胃腸の状態が自律神経失調気味だったり、便秘だったり、して、バランスよく食べても身体が吸収してくれない結果、体内栄養がアンバランスというわけです。腸内の状態の改善には水溶性、不溶性食物繊維や、乳酸菌、カルシウムという代謝吸収要素が大切です。

栄養の吸収という事からしても、気持ちのありようとの関係はループになって居るわけですから、感謝、笑い、リラックス、運動、光、という生活のエッセンスを上手に活用することが大切です。

◇香山さんが勧める「キレない五カ条」

・キレている自分の状況を客観的に見る

・相手の立場に立ち、同じ人間と意識する

・目の前の問題に集中し、他のストレスなどと混同したり、話を一般化しない

・職場や家庭でのストレスをためない

・すべて解決できると思わず、解決できないストレスはあっさり忘れる


2007.11.20 記事参考 毎日新聞社