金属が肌に触れて起こるアレルギー性の皮膚炎は、以前は時計などが原因だったが、最近はピアスなどのアクセサリーで発症するケースが増えている。空調のため冬でも汗をかくケースが少なくないので注意したい。

皮膚炎が起こるのは、金属が直接肌に触れる状態で汗をかくと、金属の一部が溶け出しイオン化し皮膚のたんぱく質と結合しアレルギー物質が作られるため、体質などが影響しており、人によって原因となる金属もまちまちだ。

最も多いのがニッケルやコバルトで、まれに金やプラチナで発症することもある。虫歯の治療に使う金属が溶け出すことで、手足に水泡(すいほう)や膿(うみ)がたまる掌蹠濃泡(しょうせきのうほう)症などにもなる。

症状は肌がかぶれて赤くなったり腫れたりする。これを放置すると「皮膚に脂がたまることや、じゅくじゅく盛り上がることもある」と順天堂大学の須賀康・助教授。

対策は原因金属と触れないようにするしかない。背中などに疑わしい金属を貼り付けて調べるパッチテストがあり、皮膚科などで受けられる。


アレルギー性の皮膚炎を起こす主な原因

金属

ニッケル、コバルト、クロム、パラジウムなど(まれに金、プラチナ、銅も)

製品

ピアス、ネックレス、ベルト、時計、眼鏡のフレーム、歯科材料など



2007.1.7 日本経済新聞