食後にめまいがして立ち上がるとふらつく症状が続く人は、「食事性低血圧」を疑った方がいい。立ちくらみと同様に血圧が一時的に低下し脳が貧血を起こす。年をとると症状が出やすくなる。患者は高齢者の3人に1人にのぼるといい、失神して転倒、骨折などの大事を招くこともある。

食後は消化のため血液が胃や腸に集まる。健康な人は自律神経の働きで血圧や心拍数が上昇し、体を巡る血液の不足分を補う。この調節がうまくいかないと血圧が下がり続け、食事性低血圧が起きる。普段の血圧の高低とは関係なく起こるので、高血圧で治療中の人でも安心はできない。

対策は「食休みをとり、一度に食べ過ぎないこと」と低血圧に詳しい長沢医院(東京・渋谷)の長沢紘一院長は話す。食事をこまめにとり、貧血の症状がひどい時は、食後に横になって休みのがよい。

早寝早起きなど生活リズムを見直し、運動を心がけ自律神経を改善する必要がある。血管のしなやかさを取り戻すことも重要で、禁煙や摂取、減塩、1日350グラム以上の野菜を摂取することが望ましいという。



食事性低血圧を改善するには…

○食休みを十分に
○一度に食べ過ぎない
○貧血の症状が重ければ横になって休む
○早寝早起き
○朝、明るい日差しをあびる
○運動を心がける
○禁煙、節酒
○減塩(1日7グラム以下)
○野菜を1日350グラム以上食べる







2005.8.14 日本経済新聞