放っておくと痛風になる高尿酸血症の患者は、国内に推定400万−600万人。動脈硬化や心筋梗塞(こうそく)を発症しやすいことが最近わかってきた。内臓脂肪を減らすことが治療の第一歩だ。

尿酸は食べ物のプリン体が分解されてできる老廃物。血液100ミリリットルあたり7ミリグラムを超えると高尿酸血症と診断される。自覚症状はなく、この状態が続くと関節などに尿酸の結晶がたまってしまい、激しい痛みを伴う痛風になる。

痛風はよく効く薬があるため、それほど恐れる病気ではない。むしろ問題は、高尿酸血症が肥満や高血圧症、糖尿病と並ぶ動脈硬化の危険因子であることだ。

内臓脂肪がたまると尿酸値も上がる。大阪府立成人病センターの中島弘臨床検査科部長は「痛風を心配する前に内臓脂肪がたまっている人は、減らすことが大切」と指摘する。

内臓脂肪が減っても尿酸値が高いままの人は、高プリン体食を慎み、アルコールも減らすこと。尿酸値が8ミリグラムを超えると、尿酸値を下げる薬物療法も選択肢となる。


高尿酸血症の悪化を抑える生活習慣

○1日1−2リットルの水かお茶を飲む(心・腎臓機能に問題がない場合)
○腹八分目に抑え、プリン体を多く含む食材に偏らない食事にする(毎日いくらや納豆を食べることを避ける)
○間食や夜食をやめる
○20−30分継続できる歩行やジョギング、軽い水泳を1日1時間程度週3回が目標
○お酒の飲み過ぎを避け、休肝日を設ける(1日の目安はビール大瓶1本、ワインボトル1/3)


2005.8.7 日本経済新聞