手の指の関節が赤く腫れあがり痛みが続くと、まず関節リウマチを疑う人も多いだろう。ただ、第一関節だけが腫れて痛むのであれば「ヘバーデン結節」の可能性が高い。変形性関節症の一種で、年をとるにつれ発症しやすくなる。

結節とは骨が増殖し関節が変形してくること。赤く腫れたり指が曲がったりするのが特徴で、水ぶくれのようになることもある。原因はよくわかっていないが、40歳以上で発症することが多く、特に更年期以降の女性で目立つ。

整形外科医でレントゲンをとって診てもらえば、リウマチとの区別は容易につく。「ヘバーデン結節は骨が増殖するために骨のとげができているが、リウマチは骨が破壊されている」(川崎市立川崎病院の堀内行雄副院長)

治療は25ミリメートル幅のテープを4−5回ゆるく巻いて安静にするのが基本。痛みが強い時は消炎鎮痛剤を使う。加齢現象のためいったん変形するとなかなか元には戻らない。横に曲がるなど指の変形がひどい場合は強い痛みが続くので、関節を固定する手術も選択肢になる。


指の関節が痛む場合の病気の見分け方

▽ヘバーデン結節 第1関節が腫れる
▽関節リウマチ 第2関節が腫れる例が多い
▽ブシャー結節 変形性関節症の1種で、第2関節が腫れる。レントゲン写真からリウマチと区別可能
▽乾癬 皮膚が乾いて皮がむける症状がひどい人の中で第1関節が腫れる例も
※あくまでも目安。整形外科医など専門医の診断を受けた方がよい
2005.8.28 日本経済新聞