マタニティー・ブルー

出産後、3、4日たったときに、母親が急にふさぎ込んだり、泣き出したりし、10日後くらいに症状が落ち着くようなケースがよく見られる。この一過性のうつ症状をマタニティー・ブルーと呼ぶ。

症状は3つ。涙もろくなったり憂うつになったりする情緒的混乱。頭がぼーっとしたりする思考力の減退。それに不眠や頭痛などの身体的症状だ。出産によるホルモンの急激な変動や疲労が重なって起きる、と見られている。ごく一部に、症状が長引く産後うつ病の人もいる。この場合は、精神科医の診断を受けたほうがいい。

大切なのは、夫の協力。 "大事業"を成し遂げた妻にねぎらいの言葉をかけたり、なるべく一緒にいてやったりして、妻の話に耳を傾けることが大切だ。その際の禁句は「母親なんだから、泣き言を言わずに、がんばれ」だそうだ。
2000.5.5 日本経済新聞