世の中には、完璧な健康状態を保とうとして、過剰なまでの気配りをする人がいる。米国では、そんな行動がフィットネス・クレイズと呼ばれている。わが国でも、同じようなタイプの人が目につくようになってになってきた。

行動の一端を紹介すると。 毎日決まった時刻に寝て起きる。定期的に運動をする。深酒などはもってのほか。健康に害があるといわれるものは、一切口にしない。無農薬、自然、減塩、低コレステロール、低カロリーと名の付いた食品を徹底的に追い求める。

困るのは、“症状”が進行すると、自分のポリシーを他人にも説き、押しつける。さらにインスタント食品やコーヒー、たばこを口にするような人に、嫌悪感を抱いたりもすることだ。皮肉にも、行動がエスカレートすると、かえって過剰なストレスをため込むことになる。

(2000.7.1 日本経済新聞)