寝たきり防ぎ最適医療を 脳卒中対策基本法案


寝たきり防ぎ最適医療を 脳卒中対策基本法案

【解説】高齢化社会の日本で寝たきりになる最大要因である脳卒中の対策に法律の裏付けが求められる背景には、最適な医療が存在するにもかかわらず十分に普及していない現状がある。

 脳卒中は急に発症することが多く、適切な治療ができる病院へ迅速に搬送するため、身近な人への啓発が欠かせない。詰まった血管を通す手術や投薬など、対応次第で後遺症を軽減できる「治せる病気」へと変わりつつある。

 九州大などは、高度な外科治療や「tPA」という血栓を溶かす薬剤を投与する専門施設では、それ以外の施設に比べて、患者の死亡率が26%低いとする調査結果をまとめた。日本脳卒中学会の小川彰(おがわ・あきら)理事長は「救急医療の整備や医療機関の連携強化は喫緊の課題」としている。

 だが一般の理解不足や設備の偏在、不十分な救急医療態勢などから、最適な医療を必要なときにどこでも受けられるわけではなく、是正が求められてきた。

 今回の法案の見本となったのは同じく議員立法として成立、2007年に施行されたがん対策基本法だ。法制化をきっかけに、具体的な対策がどこまで取れるかが問われている。

引用:共同通信社 2014年6月3日(火)

2014年6月11日更新