感染症:ポリオ感染が拡大 WHO、緊急事態宣言2009年4月以来


ポリオ感染が拡大 WHO、緊急事態宣言

 【パリ共同】世界保健機関(WHO)は5日、パキスタンやシリアなど10カ国でポリオ(小児まひ)の感染が拡大傾向にあり、国境を越えて広がるケースも出ているとして「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言、各国に予防接種の徹底など警戒を呼び掛けた。

 WHOが公衆衛生上の緊急事態を宣言したのは、豚インフルエンザの大量感染があった2009年4月以来。

 WHOによると、13年のポリオの感染者は世界で417人。今年は既に74人が感染し、うち多くがパキスタンでの感染という。

 今年に入り、パキスタンからアフガニスタン、シリアからイラク、カメルーンから赤道ギニアに国境を越えて感染が広がるケースがみられた。

 WHOは「このままではポリオ根絶は失敗に終わる」と警告、国際社会が連携して問題に取り組むよう訴えた。

 ポリオは口から感染するポリオウイルスが神経を侵し、手足などがまひする病気で、乳幼児がかかることが多い。

2014年5月7日 提供:共同通信社