睡眠時無呼吸は肺炎リスクも増 【米国呼吸器学会】


睡眠時無呼吸は肺炎リスクも増 【米国呼吸器学会】
SASで誤嚥増と免疫力低下の懸念

 米国呼吸器学会(ACCP)は3月12日、睡眠時無呼吸症候群(SAS)が肺炎のリスクを増加させるという研究結果を紹介した。Canadian Medical Association Journalに発表されたもの。

SASは、睡眠中に気道が閉塞され、酸素の供給が絶たれることによって発生する。こうした深刻な睡眠障害は、一晩で数百回も生ずる場合があり、心疾患や認知機能障害との関連が指摘されてきた。

当研究では、台湾のデータベースに登録された34万人以上の患者を11年間にわたって追跡した。このコホートには、SASを有する患者7000人が含まれており、残りの2万7000人はSASを有していなかった。

追跡の結果、肺炎の発生率は、SAS患者群では9.36%であったのに対して、対照群では7.77%となっていた。SAS患者群はより高齢で、糖尿病や心疾患、認知症などの有病率が高かった。

当研究を実施した研究者らは、「SASを有する患者は、喉から肺に液体を誤嚥しやすく、その結果、肺炎を起こしやすくなっている可能性がある」との仮説を示している。さらに、睡眠障害は免疫系を弱らせるため、SAS患者は、より高いリスクにさらされている可能性があると指摘している。

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2014年3月27日 提供:米国学会短信