高齢者の睡眠、短くてもOK 国指針、11年ぶり見直しへ


高齢者の睡眠、短くてもOK 国指針、11年ぶり見直しへ

 年をとると朝型になるので睡眠時間は短くてOK――。厚生労働省は近く、世代別の注意点を盛り込んだ健康のための「睡眠指針」をまとめる。2003年の策定以来11年ぶりの見直しで、年齢による生活や睡眠の特徴の違いを反映させる

 新指針では、眠くなってから床につき、起きる時間を一定に保って、日中に眠気で困ることのない自然な睡眠をとるようすすめる。特に高齢者には、年齢に合った睡眠時間を心がけ、寝床で過ごしすぎないよう「メリハリをつける」ことを推奨する。

 一晩に眠る時間は、10代前半までは平均8時間以上なのに対し、25歳で約7時間、45歳は約6・5時間、65歳は約6時間と、次第に短くなる。「若いころのように眠らなくては」と無理に床にとどまると睡眠の質が落ち、熟睡したと実感しにくくなるという。

 一方、働く世代には睡眠不足で疲労をためないよう促す。高血圧や糖尿病、うつ病になる危険性を高め、仕事の効率も落ちることを考慮した。仕事中に眠気が生じる時は20〜30分の昼寝が効果的という。

 10代には夜更かししないよう注意を促す。寝床でメールやゲームをする頻度が高いほど、睡眠に問題がある割合が高くなるためだ。

(辻外記子)

2014年3月23日 提供:朝日新聞