閉経女性が骨折を繰り返す理由【米国整形外科学会】
橈骨骨折者のわずかな身体能力低下が影響か


閉経女性が骨折を繰り返す理由【米国整形外科学会】
橈骨骨折者のわずかな身体能力低下が影響か

 米国整形外科学会(AAOS)は3月5日、更年期以降の女性で、橈骨遠位端骨折の既往歴があると、そうでない女性と比べて転倒しやすく、将来の骨折を招きやすい理由を説明する研究を紹介した。Journal of Bone and Joint Surgery(JBJS) 3月号に掲載。

 本研究では、更年期以降(50歳以上)女性80人を対象に、簡易身体能力バッテリー(Short Physical Performance Battery:SPPB)、握力検査といった各種身体能力テストやアンケートを実施。80人のうち40人は転倒時に手をついたことによる橈骨遠位端骨折歴を有する者とし、残り40人は対照群として、手根管症候群や腱滑膜炎などの片側上肢の疾患を有する者とした。

 調査の結果、SPPBの全体スコアや1日当たりのウォーキング時間については両群に有意差はなかったが、椅子から立ち上がる能力と握力では橈骨骨折患者群のスコアが有意に低かった。

 「椅子から立ち上がる能力と握力における両群の差は、橈骨骨折患者には初期のわずかな身体能力の低下があるということを示唆している。今後は、筋肉トレーニングなどの予防策が橈骨骨折経験者の転倒やさらなる骨折の防止に向けて有益か、研究を進めていく必要がある」と、研究著者は述べている。

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STUDY AIMS TO DEFINE RISK FACTORS FOR FALLS IN POST-MENOPAUSAL WOMEN


2014年3月14日 提供:米国学会短信