気になることば

痛風に結びつきやすく

働き盛りの男性を悩ませる痛風。この病気は体内に尿酸が増えることで起こるが、尿酸のもととなっているのがプリン体という低分子化合物だ。プリンといってもデザートではなく、プリン環といわれる化学構造を持つ物質である。

プリン体は多くの食品にも含まれる。中でもアンキモ、白子やレバー、ステーキ、エビ、カニなどに多い。食べ過ぎによる肥満、さらにアルコールはプリン体の尿酸への分解を促すので、飲み過ぎも痛風に結びつきやすい。ビールは、プリン体を多く含むから、二重の意味で痛風の敵とされる。このため、プリン体の量を減らしたビールが開発され、話題を呼んでいる。

プリン体は体内で作られるものが多い。新しい細胞ができていく段階で、古い細胞に組まれる核酸が分解してプリン体ができあがる。また、エネルギー源になるアデノシン三リン酸(ATP)が急激に使われると、プリン体から尿酸へと変化していく。

ストレスを感じると緊張し、エネルギーを消耗するので尿酸は増える。過激な運動も同様にプリン体をへて尿酸を増やすので、痛風に結びつきやすい。バランスの良い体と心の健康を目指すことが、プリン体を病気に変えない解決策なのである。

(2003.1.4 日本経済新聞)