「80歳で20本」 6.5人に1人

 日本人の歯の寿命は12年前と比べ5年以上延びており、80歳の6.5人に1人は自分の歯が20本以上残っているとみられることが、厚生省が2日発表した1999年の「歯科疾患実態調査」で分かった。子供の虫歯も大幅に減り、9歳児の半分は永久歯に虫歯がなかった。同省は「歯に対する健康意識が高まっている」と分析している。

 この調査は57年から6年ごとに行われており、8回目となる今回は昨年11月、全国の約6900人を対象に行われた。

 歯の平均寿命は、男性が50.0−60.7歳、女性が49.4−66.2歳で、ともに大臼歯(きゅうし)が最も短く、犬歯が最も長かった。87年の調査と比較すると、5−9年延びた。

 自分の歯が20本以上残っている高齢者も増えている。75−79歳は17.5%、80歳以上は9.9%で、いずれも93年の前回調査と比べアップ。80歳では15.3%と推定され、前回より4.4ポイント上昇して、同省が掲げる目標値(20%)に近づいた。

厚生省調査子どもの虫歯も大幅減

 一方、15歳未満で虫歯が急減している。特に小学生の児童でこの傾向が顕著で、永久歯が一度でも虫歯になったことがある割合を年齢別 に見ると、12歳70.3%(前回83.9%)△11歳57.5%(同86.9%)△10歳63.9%(同80.3%)△9歳50.0%(同70.7%)△8歳42.4%(同54.1%)――と、前回より大幅にダウンしている。

 同省は@少子化により、親が子供の歯の状態をこまめにチェックできるようになったA虫歯になりにくい甘味料を含む食品が増えた――ことなどが理由とみている。

 永久歯の虫歯の治療をしていない人は4.2%で、前回(6.7%)や前々回(8.8%)と比べて減少。治療率も上がっていることを裏付けた。

 歯を毎日磨く人は96.2%。回数は2回が最も多く、半数近くに上がった。

(2000.6.3日本経済新聞)