こんにゃくセラミドに評価
  

ユニチカ開発、肌の保湿効果バリア性向上

ユニチカのこんにゃく芋由来のセラミドが高い評価を受けた。このほど農林水産省と農林水産・食品産業技術振興協会が主催する「平成25年度 民間部門農林水産研究開発功績者表彰」において 「農林水産技術会議会長賞 民間企業部門」を受賞した。同社は「こんにゃくセラミド」を約10年前に開発、肌の保湿効果やバリア性を高めることができるといった特徴が認められ、食品や飲料を軸に採用実績を積み重ねてきた。今後は「国内に加え、海外での展開もさらに強化していく」(同社)考えだ。

セラミドはヒトの肌に不可欠な物質。セラミドは表皮の角質層の細胞間脂質の約50%を占める主成分で、体内の水分が蒸散するのを防いだり、外部刺激から保護したりする役割を果たしている。近年、こうした特性を有するセラミドを活用した健康食品や飲料、化粧品などの製品が増えている。

ユニチカはセラミドに関する研究開発を進めていく過程で、「こんにゃく芋に含まれるセラミドの量が穀物をはじめとした他の植物に比べ多量である」(同)ことを突き止めた。こんにゃく芋の成分の約6割を占めるのが食品のこんにゃくに用いられるこんにゃくマンナンで、残り4割の成分の中にセラミドが含有している。同社ではこのセラミドを抽出、精製する技術を確立、今回の受賞ではこれらの技術が評価された。

同社ではこんにゃく芋から抽出したセラミドを健康飲食品など用途に応じて粉末または乳化液の形状でユーザーに供給。同社のウェブサイトなどを通じて自社ブランドの販売も行っている。

こんにゃくセラミド以外にも機能性飲食品素材を豊富に揃えている。β−グルカンを多分に含むハナビラタケや、北海道産のてんさいを原料とする砂糖の吸収を抑制できるアラビノース、国内メーカーが新販売するヨーグルトに採用が決まったラクトビオン酸などを擁している。「これら素材を拡販していくとともに、新規素材の開発にも力を注いでいく」(同)方針。

2013年11月8日 提供:化学工業日報