医療管理ミニ情報

不老長寿は人間の永遠の願いです。しかし、まだ、その特効薬は発見されておりません。ただ、種々の病気が体の組織や器官の加齢による衰えにより発病するのであれば、衰えを遅らせば病気の発症を先延ばしできるのではないかとの考えが出ております。生物の寿命は遺伝子により決まっていますが、活性酸素やストレス、生活習慣によって遺伝子が傷つけられたり修飾されたりして、老化が促進され病気発生の基が作られると考えられております。

人間が生きていく上になくてはならない酸素の1〜2%が身体に取り込まれる過程で活性酸素という非常に反応性の高い酸素の一種が体内に細胞を構成する脂質などを酸化(サビ)させたり、細胞膜やDNAなどを傷つけて、老化や病気の原因を作るのです。

活性酸素を発生させやすい生活環境としては、紫外線、大気汚染、タバコ、食品添加物、脂肪分の多い食事、ストレス、睡眠不足、過労、過度の運動などがあげられます。

活性酸素対策としては活性酸素を発生させやすい生活習慣を見直すことですが、抗酸化成分を積極的に補うことが大切です。それにはビタミンCやビタミンEを始めカロチノイド(ベータカロチン、リコペン、ルテイン等)、ポリフェノール(カテキン、プロアントシアニジン等)を含む食品を取ることです。

最近、人間の細胞内に広く存在する補酸素Q+という物質が老化防止に役立つことが分かってきました。抗酸化作用やエネルギー代謝の促進に関係あるとされ、イワシ、ウナギ等に含まれています。

次に体の免疫についてです。加齢と共に衰えて参ります。それを高めるためには十分な栄養素、適度な運動は勿論ですが、色々なことに興味をもち明るい生活をすることです。

人間は生殖能力がなくなると老化症状がでてきます。自然界のなかでも、生殖が終わり、子育てが終わってからも生きているのは人間ぐらいです。

これから先、私達は必然的に、アンチエイジング、即ち年齢に抗して生きなければなりません。最近は治療法が発達し、寝たきり老人の数は、昔に比べて3分の1以下にまで減っているそうです。
(2003.2.1 歯界月報)