コメに免疫活性化成分 白米とぬかの間に含有
 

 コメのでんぷん組織(白米)と、ぬかとの間に挟まれている「亜糊粉(あこふん)層」という部分に、人間に生来備わっている免疫機能を活性化させる成分が多く含まれることが3日、香川大医学部などのグループの研究で分かった。

 香川大の稲川裕之(いながわ・ひろゆき)准教授は「毎日食べるご飯で生活習慣病を予防でき、コメの高付加価値化にもつながる」と研究の意義を説明している。

 この成分は「糖脂質」と呼ばれ、朝鮮ニンジンやワカメにも多く含まれる。研究グループが亜糊粉層を残したコメを調べたところ、1グラム当たり0・53マイクログラムと白米の5・9倍の糖脂質が含まれていた。1グラム当たり20マイクログラム程度を含む朝鮮ニンジンやワカメに比べ低い水準だが、1日2合食べれば望ましい摂取量の3割をコメで賄えるという。

 稲川氏によると、糖脂質は体内の免疫の働きを活発にし、生活習慣病や感染症の予防、がんの増殖を抑制することが期待できるという。

 これまで、コメのぬかに多く含まれることは分かっていたが、食べにくいという難点があった。一方、亜糊粉層は白米のすぐ外側を覆い、うま味成分を含んでいる。精米機によっては残すことが可能で、味が良いとして既に一部で商品化されている。

 研究成果の詳細を、5月25日に名古屋大学で開催される日本栄養・食糧学会で発表する

2013年5月7日 提供:共同通信社