気になることば

骨を強くする “陰の主役”

健康によい食品として注目を浴びている納豆。その納豆に含まれているのが、ビタミンK2だ。これは脂溶性のビタミンで、納豆菌によって生成される。骨を作る骨芽細胞の一種「活性型たんぱく質」の量を増やして、カルシウムが骨にしっかりとくっつくようにするのを促すという。

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の予防策として、カルシウムを十分にとるように心掛けている人は多いだろう。だが、それだけではだめ。というのも、骨では古いカルシウムが溶かされ、新しいカルシウムを付着させて、常に新陳代謝を繰り返しているからだ。つまり材料のカルシウムがいくら豊富でも、それを骨にくっつける物質が不十分ではしかたがない。

ビタミンK2はカルシウムを骨にしっかり付着するのを促してくれるし、骨を溶かす破骨細胞の働きを抑制して、骨からカルシウムが流出するのも抑えてくれる。健康な骨を保つには欠かせないビタミンだ。

最近では、特にビタミンK2を豊富に作り出す納豆菌を使った納豆などが登場、通常の1.5−2倍のビタミンK2を含む製品もある。ただ、病気で納豆を控えるよう指導されている人はまず医師に相談してほしい。

(2002.8.10日本経済新聞)