4日から歯の衛生週間が始まる。虫歯を放っておいたら歯医者で余計痛い目にあい、なぜもっと早く行かなかったか、後悔した経験はないだろうか。歯を削るドリルのキーンという音を想像しただけで、歯医者に行くのがイヤになる人も多い。 

 そんな人に朗報。ドリルを使わずに虫歯が治療できる薬剤が開発されたのだ。スウェーデンのメディアチーム社製の新薬「カリソルブ」は、次亜塩素酸ナトリウムと特殊なアミノ酸を配合。歯に塗ると、数分で虫歯の部分だけが溶けて取り除ける。痛みがないし、歯も削らないから、健康な歯も守られる。

 悪化して大きな穴があいた虫歯には効果が薄いなど、万能ではないが、子どもや高齢者などの治療には威力を発揮しそうだ。北欧などでは98年から実用化されているが、日本は厚生省の認可待ち。ドリルがイヤな人は予防に力を入れて待とう。

(2000.6.3日本経済新聞)