外来種の毒グモ「セアカゴケグモ」の被害が増加
 

 外来種の毒グモ、セアカゴケグモの被害が国内で増えています。成体のオス(脚を含まない)は体長が約3〜5mm、腹部は白色を基調として2本の黒い縦縞があります。メスは体長が約1cm、形態的には、脚が長く、腹部が球形で大きく、光沢のある黒色又は暗褐色を基調として、腹部の背面に赤色の"砂時計"様、又は"鼓(つづみ)"様の模様があります。日本では、1995年9月に大阪府高石市で初めて確認されました。

 2012年の9月に福岡市で介護施設に入居する86歳の女性が、体長約1aのセアカゴケグモに咬まれ、救急車で病院に搬送されました。又、兵庫県尼崎市では9月5日に橋の下の歩道の側溝内で100匹以上のセアカゴケグモが発見されました。被害はありませんでしたが、警察や市の確認では約100bに亘って巣を作って生息していました。2012年は20件程の発見情報が確認されています。セアカゴケグモはこれまで、西日本での目撃例が多かったのですが、2005年に群馬県、2011年には宮城県で確認されるなど全国各地で工場内、公園のブロックの隙間、墓石の隙間、道路側溝の蓋の裏などから発見されています。

 強い毒は持っていますが、攻撃性は弱くおとなしい性質です。咬まれた時は針で刺されたような痛みを感じ、その後、咬まれた場所が腫れたり、熱く感じたりします。症状のピークは3〜4時間で、数時間から数日で軽快しますが、時に脱力感、筋肉痛、頭痛などの全身症状が現れることがありますので、病院で治療を受けることが必要です。セアカゴケグモを見つけても、素手で触ったり、捕まえたりすることは危険です。

 病院では痛み止めの注射などで対処しますが、西日本ではセアカゴケグモの目撃情報が多いことから血清を準備している病院もあります。人が咬まれる被害が続いていますので、いかにして侵入と繁殖を防ぐか、対策を考える必要があります。


2012年12月30日