口や鼻から吐く息(呼気)を測定して便秘の症状を診断する研究が進んでいる。東京・新宿区の国立健康・栄養研究所で開いた日本呼気病態生化学研究会で、昭和薬科大学の田代真一教授らのグループが、これまでの研究成果を発表した。

午前7時に起床し、規則正しく排便をしている女性の呼気を調べると、食事後4、5時間で水素濃度が高くなる。水素濃度が1日中で最も低い時間帯が正午だった。快便の人と便秘気味の人の間で、この時間帯の水素濃度を比べると、明らかな差が出る。そこから、便秘の具合を定量化するめどをつけたのだ。

改善を加え、便秘の指標がさらに正確につかめるようになれば、呼気の水素濃度測定器が大腸がんなど消火器の疾病予防に生かせそうだ。研究者は「あと数年、実験を重ねれば、実用化できるのでは」と見通しを立てている。

(2001.9.15 日本経済新聞)