「数回なら健康影響なし」 
汚染牛肉流通で厚労省 30年後に同じ事言えるか?



 福島県南相馬市の農家が出荷した肉用牛から暫定基準値を超える放射性セシウムが検出されました。6頭分の肉は12都道府県に流通し、一部地域の消費者は既に食べてしまったとみられます。

  Q 暫定基準値を超えた肉を食べても大丈夫ですか。

 A 厚生労働省は、基準値を超えた肉を数回程度食べても健康に影響はないと説明しています。基準値は、その数値の放射性物質を含む食品を1年間毎日、平均的な量を食べ続けたとしても影響が出ないとする目安です。現実には基準値を超えた肉を毎日食べ続けるわけではないので安全だと言っています。

 Q 肉の基準値はどれぐらいですか。

 A 肉1キログラム当たりの放射性セシウムの暫定基準値は500ベクレルです。人体に影響がない年間の被ばく線量とされる5ミリシーベルトを超えないよう算出されています。今回問題となった牛肉からは最大で基準値の8・7倍に当たる1キログラム当たり4350ベクレルが検出されました。厚労省はこの値でも、食べ続けなければ健康に影響はないと説明しています。

 Q 自分が買った牛肉が、問題の肉なのかどうか知りたいのですが。

 A 牛肉のパッケージなどには個体識別番号といわれる10桁の番号が記載されています。流通ルートを管理するため、牛肉トレーサビリティー法に基づき牛1頭ごとに割り当てられています。問題となった6頭の番号は公表されているので照合できます。独立行政法人家畜改良センターのホームページで番号を入力すれば、牛の産地や移動経路が分かります。

  Q 豚や鶏の肉は大丈夫ですか。

 A 今回の汚染は、福島第1原発事故後も屋外に放置されていたわらを餌として牛に与えていたことが原因です。農林水産省によると、豚や鶏は主に屋内に保存している配合飼料を食べています。これまでの検査では豚肉と鶏肉で基準値を超えた例はありません。


2011.07.14 提供:共同通信社