EVカーのカナメ。シフトの鍵を握るバッテリー技術
2011年12月22日(木) 11時23分

EVバッテリー レポート2011-12 vol.1
脱内燃機関、そしてEVシフトの鍵を握るバッテリー技術

2005年から2008年夏ごろにかけて発生した、1バレルあたり150ドル近辺をつけるという原油価格の暴騰は、世界を文字通り震撼させた。さらに東日本大震災時に日本各地でガソリン供給不足が発生し、ガソリンスタンドに長蛇の車列が発生した話題などは記憶に新しい。

経済活動に欠かせない物流の主役、道路交通は、ほぼ全面的に石油エネルギーに依存している。近年、世界の油田の劣化によって石油生産がピークアウトするのではないかと危惧されていたが、石油の枯渇を待つまでもなく、燃料価格が暴騰するだけで経済が壊滅的なダメージを負うことがハッキリしたのだ。

各国の政府やメーカーが電気自動車(EV)の開発に躍起になって取り組んでいる最大の動機は、今後急速に深刻化することが確実視されているエネルギー危機への対応なのである。

EVの開発動機としてしばしば挙げられるもののひとつに、地球温暖化の原因物質とされる二酸化炭素の排出量削減があるが、これは副次的なものだ。アメリカのオバマ大統領が推し進める「New Energy for America」というエネルギー政策では、脱石油社会を進めるだけでなく、新規雇用までも創出し経済を安定させることを見据えている。

自動車メーカーはそれに対応する技術を確立させることが、今世紀後半に向けて生き残る唯一の手段だという認識を持っている。ゆえに、今日においてはまだ商業的に成立しているとはとても言えないレベルにとどまっているEVの開発に執心しているのだ。

そこで今回、これらビジネスソリューションで要求されるEVの高いバッテリー技術に焦点を当て、開発者インタビューや試乗会・発表会などの取材を交えつつ、4回にわたり「EVバッテリー レポート」として連載する。第1回は導入として、脱内燃機関そしてEVシフトを加速させる環境変化と、その普及への鍵を握る技術課題について考察したい。

◆エネルギー危機への対応がEV開発を加速

EVを爆発的に普及させるには、EVをマーケット商品にしなくてはいけない。マーケット商品にするために、各社はどのように戦略を練っているのだろうか。

EVの普及を実現するために不可欠な要素は、さらなる低価格化だ。バッテリーやモーター性能の著しい向上に支えられて、身近な価格になってきたとはいえ、同クラスのエンジン車に比べて2倍ないしそれ以上の価格が現状ではつけられている。ユーザーの大半は政府や自治体、あるいは運輸業者などのフリートユースであり、エンドユーザーがEVを購入するケースはまだ少数例だ。

アウディの電気モビリティ戦略担当者、ハイコ・ゼーガッツ氏は「多くの顧客がEVに強い関心を示しているのは確かだが、実際に購入する場合、既存のクルマに上乗せして支払ってもよいと考えている金額はごくわずかだ。またガレージで充電可能な住宅の割合も、EVのメイン市場となる都市部では低い。価格、性能、インフラなど、いろいろな面で適切なソリューションを提示できたとき、EVは一般化するだろう」とインフラの拡充整備がEVの普及の鍵とみている。EVが実験段階から市販段階への移行期であるこのタイミングで、日米欧の各国では、充電ステーションの急ピッチでの拡充や最新テレマティクスを駆使した給電・充電ソリューションの構築に向けて積極的に取り組んでいる。

2009年に登場した三菱自動車の新世代EV『i-MiEV』に端を発したクルマの電動化のムーブメントは、いまや世界に広がりつつある。日産自動車『リーフ』、本田技研工業『Fit-EV』、三菱自動車『MNICAB-MiEV』などの市販EVが次々に生まれ、また発電用エンジンを搭載して高価な電池の搭載量を減らしたレンジエクステンダーEV(E-REV)、ハイブリッドカーのバッテリーを外部電源から充電できるようにしたプラグインハイブリッドカー(PHEV)など、ソリューションも急速に多様化している。さらに、フランス政府や福生市が推し進めるEVシェアリングサービスプロジェクト等、新たなビジネスソリューションの形態も確立されている。

◆EV普及の鍵を握るバッテリー技術

石油以外で人間が利用可能なエネルギーは、実は結構豊富である。非在来型天然ガスであるシェールガスやバイオエネルギー、水力や太陽光、風力などの再生可能エネルギー、核エネルギー等々、枚挙にいとまがない。が、それらのエネルギーは、輸送、貯蔵、補給などの利便性の点で、いずれも石油に比べて大幅に劣っている。現状では、多少燃料価格が上がろうと、クルマは石油エネルギーで走らせるのが最も効率的というのが実情だ。

しかしながら、その状況はEVの登場と共に大きく変わりつつある。エネルギーを電力として効率的に蓄えることが出来る電池技術の発展である。

が、そのチャレンジはまだ始まったばかり。EVや燃料電池車が一般的な技術となるには、これから様々な技術革新を実現させていかなければならない。なかでも課題とされているのは、EVのバッテリーである。電力はもともと、発生させたものはリアルタイムで消費しないと消えてしまう。たとえば電力需要が低いときに発電所をフル稼働させても、熱エネルギーの多くは電力に変換されず、そのまま捨てられてしまうのだ。

◆耐久性の向上と急速充電性能の要求を満たせるか

本来は貯蔵性のないエネルギーである電力を保存しておくのに最も一般的なのが、蓄電池に充電しておいて、必要なときにそれを引き出して使うというやり方だ。不特定のルートを走り回るEVは、電車のようにパンタグラフから電力を採って走るというわけにはいかない。必要なときにEVを即座に走らせるために必要不可欠なのが電力貯蔵技術であるバッテリーなのだ。

一般に、自動車を構成する部品点数はガソリンエンジン車の場合およそ3万点だが、このうちエンジンとその補器類がおよそ1万点で、全体の1/3以上を占めている。これをバッテリーとモーターに置き換えれば部品点数が大きく減り、パッケージングに大きな変革を実現できると見込まれている。部品点数の低減は、大幅な軽量化やコスト優位性への可能性も秘めており、ひいては電費の向上にも寄与するものとも考えられている。もちろん、排出ガスを出さない、パワートレーンからの振動や騒音がないことなども、EVのメリットとしてよく知られているポイントだ。

今日、世界で胎動を始めているクルマの電動化。そのムーブメントはまだ、未来に向かって一歩を踏み出したばかりであるが、EVがコンセプトカーから実用車へとその存在意義が変化していくなかで、消費者はバッテリーの性能差を意識する必要が出てきた。そしてまた、バッテリー技術のブレークスルーを実現する可能性が登場しつつあることも確かだ。次回では、EVの課題を打ち破る新たな技術として東芝のSCiBにフォーカスを当ててレポートする。 

 《井元康一郎》


家庭での電源量がコンセントの場合最大15Aという規制もあり。充電にかかる時間を考えると、大きな容量のバッテリーを積んでも何日も充電にかかるのでは現実的ではないです。
法規制の200V*15Aが充電の最大量であることは、充電時間をみて、カラからのフル充電には所要一晩は掛かる。
通常の20%から80%までの充電で200Vで数時間、400Vの急速充電設備なら1時間未満で可能です。
将来、バッテリーの重量と大きさが小さくなることで、よりバッテリーを積む余地が生まれても、
充電時間がかかることなどや価格面のデメリット。燃費・電費から言えば、軽い車が良いとすれば、これ以上の大きなバッテリーは非常時用としての意味合いで、車に積むか?
でも、、
非常時で普通家庭2日分のエネルギー蓄電、25kW前後が現状で最適なバッテリー量か?
これからはハイブリッドと言うよりは、EVのレンジエクステンダーとしての
発電エンジンか非常時走行用兼発電エンジンを積んだ車が最優力な候補か?
また非接触充電のインフラがいつ頃、どのように普及するか?の技術革新に期待したい。



VW、中国でEV専用ブランド立ち上げか
2011年5月17日(火) 18時09分

中国新車市場でトップシェアを誇るフォルクスワーゲン。同社が、中国で計画してい る新ブランドのネーミングがスクープされた。

これは9日、自動車メディアの『CHINA CAR TIMES』が報じたもの。同メディアによる と、フォルクスワーゲンが中国で立ち上げる新ブランドの名前は、『Kai Li』になる という。これは中国政府の内部文書からのリーク情報とのことだ。

またKai Liは、フォルクスワーゲンの現地合弁パートナー、第一汽車と共同設立。ブ ランド名以上に注目すべきは、その車種体系かもしれない。

同メディアによると、Kai Liは中国初のEV専用ブランドで、中国政府のEV普及計画に 沿う形で立ち上げることになるという。

Kai Liの市販第1号車の登場時期は不明だが、同メディアは「『ボーラ』か『ゴルフ』 をベースにしたモデルが、Kai Liの最初の市販車になる」と伝えている。

《森脇稔》

世界F1レースのEV版*フォーミュレック2 012年から開催へ
 

世界最高峰のEVレース、フォーミュレック…2012年から開催へ 南アフリカに本拠を置くフォーミュレック(FORMULEC)社は2012年から、EVフォーミュ ラレースの「フォーミュレック・ワールドシリーズ」を開催する。

このEVフォーミュラレースに使用するマシンは、同社が2010年秋のパリモーターショー で初公開した『EF1』。F1マシンと同じく、シングルシーターのフォーミュラマシン で、強力なモーターにより、0-96km/h加速3秒以内、最高速240km/h以上の性能を誇る。

同社の発表によると、フランスのFCI社のスポンサードを受け、フォーミュレック・ ワールドシリーズを開催。2012年から、年間10戦を行う計画だ。

さらに同社は2014年から、他社の参入にも門戸を開放。F1のような世界最高峰のEVフ ォーミュラレースへの発展構想を描いている。

《森脇稔》

EVの国連協定規則を採用
2011年4月28日(木) 21時45分

国交省、EVの国連協定規則を採用

国土交通省は28日、国連の型式認定相互承認協定に基づき、新たにバッテリー式電気自動車に係る協定規則を採用したと発表した。

また、反射器に係る協定規則などの改訂が国連欧州経済委員会自動車基準調和世界フォーラム(WP29)で採択された。

これらを受け、道路運送車両の保安基準、装置型式指定規則および道路運送車両の細目告示などの一部改正案をまとめ、意見募集を開始した。

バッテリー式電気自動車に係る協定規則の採用に伴い、電気装置について高電圧配線の橙色被膜の義務付け、交流回路の絶縁抵抗値の追加、開放型鉛電池の水素エミッシ?ンの測定義務づけなどの要件を追加する。

これらは、新型車について2014年6月24日以降に新たに型式指定を受ける自動車と改 造車に適用し、継続生産車については2016年6月23日以降に制作される自動車に適用する。

《編集》

 

日本EVクラブ5月7日EVセミナー三軒茶屋
 

原発とEV

EVは電気を食わない。エコ?

送電線の@自由化が必要 、スマートグリッドの実用化には、必須。 車の電池から、家に吸い上げる量もコントロール出来る 夏などのピーク電力にも電気自動車は有効。 深夜夜間電力を貯めて、ピーク時に自動車から放電。 ピークレベルを平準化出来る。

過去に大5次EVムーブメントがあった。 温暖化 石油枯渇(ショック)

日産三菱が先だが、トヨタ、ホンダは電池でサボっていたすぐに取り戻せる。

EVは スポーツカーの性能に沿っている。運転が楽しい

過疎地に向いている。自宅で充電できる。 一般に言われる。充電スタンドはいらない。車でもガソリンスタンドみたいな物は、 いらない。どこでも、お店のパーキングなど 家の電気で充電出来る。 ビジネスとしては、成り立たない。電気代ははガソリンに比べて極めて安い。 お店の付加サービスに向く。

一事業所に2系統の変電設備が入らない。法律の変更で、どこでも、急速充電のサー ビスが出来るガソリンスタンドがなくなる。急速になくなると、ガソリン車は不便になる。今後1 0年間で半分くらいに?

地球の危機。 温暖化のポイントオブノーリターン。2℃上昇に納める。そのために、CO濃度をコ ントロールする。 此は必須なので、排気を出さない車が必須。

380PPM今、 石油の枯渇2030年で、でが悪くなる。

カリフォルニアZEV規制2012年からEV生産は、3%くらい各社で3000台 から5000台必要。 13州に広がっている。

ヨーロパはCO2規制でほとんどがEVへシフトしている。

EVコンバートは過去の自動車の資産を活かしながら、環境に貢献出来る。

エネルギー効率とCO2規制で優れている。 しかし、バッテリーの生産コストとエネルギーとバッテリー寿命の分を考慮するとトー タル燃料コストでは、高い? リサイクルは、事業が出来ないとバッテリーがネック? 鉛電池はリサイクル確率されている。 リチウムイオンはまだ、リサイクルが難しい。分別コストかかる。 コンバージョンビジネスは等身代で、地域内で進める。試作と販売ではビジネスリス クが違う。 EVの移動販売にも向く。

 セルフコンバージョンを手伝う、そのスペースを提供する技術指導する。 そういうビジネス地産地消、作る感動を売る。

法律の変化変更に気を付ける

電池の構造リチウム電池 置いておくだけで劣化 4年寿命、

モーター89%効率回転4000回転
テスラ誘導モーター97%1万から15000ぐらい回る。
モーターの主役、ブラシレスDCモーター95%、4000から10000,回る

日産 リーフ、米国が認めた衝突安全性能[動画]
2011年4月30日(土) 21時00分

EVとして、米国で初めて衝突安全テストを受けた日産『リーフ』。その映像が26日、 ネットで公開された。

このテストは、米国IIHS(道路保険安全協会)が実施したもの。前面オフセッ ト64km/h、側面50km/h、後方32km/hという内容で、ダミー人形が受けた傷害レベルに 応じて、GOOD(優)、ACCEPTABLE(良)、MARGINAL(可)、POOR(不可)の4段階で 評価する。

さらにIIHSでは、追突時のむち打ち確認テストと横転を想定したルーフ強度テストも 行う。そして、総合評価でGOOD(優)となった車に「トップセーフティピック」を授 与し、米国で販売される車の中で、最も衝突安全性の高いモデルと認定している。

リーフは全てのテストで優秀な結果を残し、EVとして初めて、トップセーフティピッ クに認定された。テストの様子は、米消費者団体専門誌『コンシューマー・リポーツ』 が、動画共有サイトで公開している。 http://www.youtube.com/watch?v=KknZJR9m0iY&feature=player_embedded

リーフ:“世界最高水準の省電力LEDヘッドランプ”はどう実現したのか…
市光工業 開発者に聞く
2011年5月9日(月) 11時30分

 

◆LEDの個数を減らしてコストダウン、リフレクターの構造を改良して明るさを確保

日産の電気自動車『リーフ』のヘッドランプにはLEDが使われている。LEDは、これまでもハイマウントストップランプや室内灯、テールランプなどに利用されていたが、明るさや製品コストの問題から一部の高級車種を除いてヘッドランプへの採用はほとんどなかった。しかし、動力だけでなく、エアコン、照明、灯火類をすべてバッテリーでまかなうEVにおいては、電装品の低消費電力化は、航続距離など車の基本性能に直結する重要事項だ。そのため、EVにおいてはLEDヘッドランプの意味は大きい。モーター以外の消費電力が低いということは、航続距離性能にも貢献するはずだ。

このリーフ用のLEDヘッドランプを開発したのは、市光工業である。LEDヘッドランプ自体は、高級車ではレクサスやアウディなどでの採用例がすでにある。ハイブリッド車ではプリウスにもLEDヘッドランプが搭載されているが、市光工業のLEDヘッドランプはEV向けということで、これらの先例との違いはあるのだろうか。

リーフのLEDヘッドランプ研究開発を取り仕切った同社研究開発部プロジェクトマネージャの村橋克広氏はつぎのように説明する。

「まず、リーフ用のLEDヘッドランプは消費電力が23WとこれまでのLEDヘッドランプより格段に低くなっています。れは主にヘッドランプに使用しているLEDの個数の違いによるものですが、今までのヘッドランプはLEDを3つ以上使います。今回、リーフのために開発したヘッドランプは2個のLEDで500ルーメン以上、色温度を5500Kに設定し、必要十分な明るさを実現しています。これは、低消費電力だけでなくコストダウンにもつながります。現在、LEDヘッドランプはプロジェクター型が主流ですが、こちらは反射型とプロジェクター型の特長を組み合わせた、独自の光学系となっています。部品単体の工作精度は要求されますが、部品点数を減らすことができます。」

EV向けということで低消費電力という要求は至上であったこと、車格としては大衆車であるリーフ向けにできるだけ量産コストの低い製品を開発する必要があったことの2点が同社の製品の特徴づけにもなっているようだ。さらに、反射型としたことで、デザイン性も増したという。


 

◆「LEDは次世代のヘッドランプ光源の主流を担う」

市光工業は自動車の灯火類の老舗メーカーのひとつだが、LEDヘッドランプについてはいつごろから取り組んでいたのだろうか。また、その開発の背景はどのようなものだろうか。村橋氏は次のように述べる。

「ヘッドランプの光源に白色LEDを、と開発を始めたのは7年以上前です。当時は、色効率や明るさなどの面からイルミネーションや室内灯など一部の商品化のみでした。当然、ヘッドランプとしては暗い、コストがかかりすぎるなど、とても実用にはならないものでしたが、シールドビーム、ハロゲン、HIDとヘッドランプの光源が10、20年単位で進化していく中で、次世代の光源はやはりLEDだろうという考えのもと、開発をスタートさせました。そのときは、とくにEVということは意識していませんでしたが、そうした中、5年ほど前に日産自動車やフィリップス・ルミレッズ・ライティングと共同のEDヘッドランプの開発プロジェクトがスタートしました。」(村橋氏)

そのプロジェクトとは、フィリップス・ルミレッズ・ライティングが高性能のLEDチップを開発提供し、ヘッドランプ開発と量産化を市光工業が担当するというものだ。フィリップス・ルミレッズ・ライティングのLEDチップは、4つの発光素子を集積したマルチチップタイプで、高光束(明るさ)なものだ。独自の反射型光学系と合わせて、他社製品よりLED数を2つに減らすことに成功した。EVというクラスレスな存在のリーフだが、車格的にはあくまでもCセグメントクラス。そのため、開発に当たってはあくまでも“大衆車・標準搭載”であることを意識していたという。



◆発熱、組み付け精度、配光など、様々な課題を解決


省電力LEDヘッドランプの開発にあたっては、課題も少なからずあった。

「製品開発にあたってはコストや熱対策、配光パターンなど、解決すべき問題は多くありました。電子機器に使われているLEDは発熱が少ないと言われていますが、それは数mA、数十mAといった極めて小さい電流での話です。家電での電球型LEDがそうであるように、照明光源として使うような場合は放熱対策が必須となります。量産化についてはPM設計部門や生産技術部門・量産スタッフがさまざまな工夫を凝らしてくれました。熱対策、配光パターンや特性、信頼性など基本設計の部分が開発部門で取り組んだところです。」(村橋氏)

と、設計でこだわった部分を述べる。その設計思想の根底に流れるのは「他とは同じことはやらない」だそうだ。これは、EV専用モデルとしてスクラッチからデザインされたリーフのコンセプトにもマッチしている。プロジェクター型ではなく反射型の採用もそのこだわりを反映している。

「反射型を採用したのは、他と同じではおもしろくないという理由もありますが、それだけではありません。EVだからといってコストを度外視するわけにはいきません。プロジェクター型はレンズやレフが各々別でユニット数の分、部品が増えてしまいます。今回我々が開発したリーフの主な部品はリフレクター1枚とヒートシンク、シェードそれにマルチチップのLEDが2個だけです。それに、反射型の場合、プロジェクター型に比較してリフレクターの各セグメント形状で配光パターンを細かく制御できます。よって、必要とされるところに、より細やかな光配分ができます」

革新性というのは、単に人と違うことをするのではなく、技術的な課題に対して合理性やブレークスルーを伴ったものということだ。リーフの登場によって、大衆車へのLEDヘッドランプの普及に先鞭はつけられたが、村橋氏は今後のLED光源の進化への取り組みをどのように考えているのか。

「当然いろいろ考えています。ハイビームへの展開はもちろん、ADB(Adaptive Driving Beam)やAZB(Adaptive Zone Beam)への応用も考えています。LEDチップも発光効率やコスト面でも改善の余地があると思っています。1個のLEDで十分な光量(明るさ)を確保できれば、1個でヘッドランプが可能になり、消費電力やコスト面で、適用可能範囲は更に増えるでしょう。技術的には道筋がついていますのでそうなれば、EVに限らずLEDヘッドランプが標準的になってくる可能性があります。早ければこれは数年後に実現するかもしれません。」

《中尾真二》