Lesson248

1977年にあったニュース

子どもの誤飲 半数 たばこ、バー・居酒屋も禁煙 1977.12.31



子どもの誤飲 半数 たばこ 家族だんらん時 多発

96年度に発生した子供の誤飲事故は調査対象の8病院だけで計823件に上り、のみ込んだ品目別で最も多いのは「たばこ」の395件(全体の48.0%)だったことが30日、厚生省の家庭用品をめぐる健康被害報告で分かった。ふろの洗浄剤などで腹痛や吐き気を引き起こした吸入事故は374件、台所用洗剤や装飾品による湿疹(しっしん)などの皮膚障害は274件だった。誤飲事故などで入院したケースも22件あった。
子供の誤飲事故は家庭内で起こることが多く、同省は「保護者は一層の注意が必要だ。たばこや吸い殻をのみ込んだ子供に水や牛乳を飲ませるなど不適切な処置も目立つ」と指摘している。
誤飲事故は名古屋第一赤十字病院など8病院、皮膚障害は信州大病院など8病院、吸入事故は日本中毒情報センターの協力で報告をまとめた。
厚生省によると、誤飲事故でたばこに次ぐのは医薬品・医薬部外品120件(14.6%)、おもちゃ38件(4.6%)、電池32件(3.9%)。
事故が最も多く発生する時間帯は午後6時から同9時までで全体の3分の1を占める。同省は「家族だんらんの時間で保護者が目を離したすきに子供が近くにある物をのみ込んでしまうケースが多い」と分析している。
たばこの誤飲を年齢別に見ると、ハイハイやつかまり立ちできる6−11カ月の乳児が最も多く300件。次いで12−17カ月の幼児が多く、6−17カ月の乳幼児で94%を占める。たばこの吸い殻が入った缶ジュースを飲んだ事例もあった。
さらに厚生省は@子供がゴキブリ駆除用のホウ酸団子を食べ物と間違えて食べたAかみ切りにくい、こんにゃくゼリーがのどに詰まったBボタン型電池が腸の内壁に張り付き穴が開いた――などのケースを挙げ、保護者への注意を呼び掛けている。

応急処置 たばこ、まず吐かせる
誤飲事故が起こった場合、医療機関で手当てを受けるまでに家庭で行う応急措置として厚生省は30日、のみ込んだ品目別の応急措置といけない措置をまとめた。
(○は行ってよい応急措置、×は行ってはいけない応急措置)

【たばこの葉や吸い殻】
○=吐かせる  ×=水や牛乳を飲ませる
(水や牛乳を飲ませるとたばこからニコチンが溶け出し体内へ吸収されるのを促進する恐れがある。数時間は飲食を避ける)

【強酸性や強アルカリ性の洗浄剤や漂白剤】
○=牛乳や水を飲ませる  ×=吐かせる
(誤飲した際、のどや食道にやけどを起こしており、吐かせると再びやけどし、症状が悪化する恐れがある。少しでも口にしたら、牛乳を飲ませて医療機関で手当てを受ける)

【防虫剤】
○=水を飲ませる、吐かせる  ×=牛乳を飲ませる
(防虫剤のような脂溶性物質は謬乳の脂肪分に溶けて吸収を促進する恐れがある)

【ホウ酸団子】
○=吐かせる、水や牛乳を飲ませる

【灯油やベンジンなどの石油製品】
○=何も飲ませず、吐かせずに医師の手当てを受ける
(石油製品のような揮発性の高い物質は、吐かせると気管に入りやすく、少量でも化学性肺炎を起こす。牛乳や水を飲ませると吐き気を誘う可能性がある)


米カリフォルニア州 バー・居酒屋も禁煙

米カリフォルニア州で98年1月1日から新禁煙法が施行され、バーや居酒屋、カジノ、プライベートクラブ内での喫煙が禁止される。公共の場所での喫煙を事実上不可能にする米国で最も厳しい法律だ。一部の飲食業者からは「商売あがったり」と激しい反発も出ている。
新法はバー従業員らを間接喫煙から守るのが目的。同州にある約3万6千軒のバーなどが全面禁煙となり、喫煙した場合には最高500ドルの罰金が科せられる可能性がある。
喫煙が可能な場所は自宅や屋外となるが、屋外であっても建築物から約6メートル以内では禁煙とする自治体があり、愛煙家の居場所はますます狭まる。同州では95年1月からオフィスやレストランが禁煙となったが、これまでバーなどは除外されていた。
新法施行によってバーから客足が遠のくとの見方があり、ホテル・レストラン従業員組合サンディエゴ支部は10月29日、州議会議員に新法を廃止するように要求。 「5%でも売り上げが落ちたら、従業員解雇もやむをえない」(ジェフ・イーチェル同渋財務部長)としている。カジノ経営者らは近く訴訟を起こす予定だ。 (ロサンゼルス=滝山晋)

1977年12月31日 提供:日経新聞