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1998年にあったニュース

全国2万人に喫煙で調査へ〜肺がん遺伝子治療承認 1998.9.18



全国2万人に喫煙で調査へ〜肺がん遺伝子治療承認

厚生省は17日、喫煙が健康に与える影響を詳しく把握するため全国の2万人を対象にした大規模調査を実施することを決めた。喫煙習慣やたばこ依存症の実態をつかむとともに、喫煙習慣のない人を対象に受動喫煙の影響も調べる。来年5月までに結果をまとめ、公共施設で分煙などを実施するかどうかの判断材料とする。
たばこの健康影響について政府が1万人を超える大規模な調査をするのは初めて。
同省の「喫煙と健康問題に関する実態調査検討会」(座長・山口直人国立がんセンター研究所がん情報研究部長)が決めた調査方法によると、喫煙者に禁煙の意思などを聞き依存の程度をつかむほか、非喫煙者のだ液を分析、たばこの煙をどれだけ吸い込んでいるかを推定する。調査は15歳以上の男女2万人を対象に来年1月に開始する


肺がん遺伝子治療承認 岡山大計画で厚生科学審
厚生科学審議会(厚相の諮問機関)の先端医療技術評価部会は17日、岡山大学医学部付属病院が申請していた肺がんの遺伝子治療を承認した。同計画は学術審議会(文相の諮問機関)などでも審議しており年内に承認が得られる見通し。早ければ来年1月にも臨床試験が実施される見込みだ。
岡山大の治療計画は「非小細胞肺がん」という肺がんの末期の患者が対象。がん抑制遺伝子「p53」を、人体に害がないウイルスを利用して、患者のがん細胞に送り込む。p53遺伝子はがん細胞の増殖を抑えるほか、すでにあるがん細胞を自滅に導く働きもあり、患者の体内でうまく機能すれば、がんを縮小し延命効果が期待できる。臨床では抗がん剤と併用する。
厚生科学審の部会が承認したがんの遺伝子治療は、東京大学医科学研究所のじん臓治療計画に次いで2件目。遺伝子に導入に使うウイルスの安全性については中央薬事審議会の承認を得る必要があり、審議が進んでいる。
肺がんは男性ではがんの死因のトップ。非小細胞がんは肺がんの8割を占める。感部を切り取っても周囲にがんが広がっているケースが多く、抗がん剤を使っても効果は限られる。


1998年9月18日 提供:日経新聞