Lesson186


国の民主党へ、ヘルスケア医療費の根幹に関わる問題、
もっと重要視して国際的に追いつかなくては、


喫煙者、なお男性の4割
新・禁煙事情/1 あなたの処方せん/10

 今月1日から増税によって大幅に値段が引き上げられたたばこ。これを機に禁煙を決断した人も多いだろう。だが厚生労働省の調査によれば、喫煙者は減っているものの、全体ではいまだ2割を超えている。男性は4割近くに上る。

 たばこ政策が専門の望月友美子・国立がん研究センター研究所プロジェクトリーダーは「たばこは全身病を引き起こすが、危険性の周知と本格的な規制がまだ徹底されていない」と話す。

 たばこの煙には、化学物質が分かっているだけで約4700種類も含まれる。そのうち発がん物質は69種類。ほかに有害性が明らかな物質も200〜300種類見つかっている。こうした化学物質は肺で吸収された後、血液の流れに乗って全身を駆けめぐるため、体中にさまざまな病気をもたらす。

 たばこが原因の病気のうち、代表的なのはがんだ。がん全体の約3割はたばこに起因することが実証されている。なかでも肺がんは喫煙によって確実に危険性が高くなる疾患の一つ。国立がん研究センターによると、喫煙者は非喫煙者に比べ肺がんの危険性が男性で4・8倍、女性で3・9倍。欧米では、男性喫煙者は非喫煙者に比べて少なくとも10倍以上高いとされる。日本人男性の場合、肺がんによる死亡の約7割は、たばこが原因だ。また、ぼうこうなど尿路系のがんも危険性が高く、男性5・4倍、女性は1・9倍に。心臓など循環器もたばこの影響を受ける。たばこの煙に含まれる一酸化炭素が血中に取り込まれ、血管の内皮細胞を傷つけ、動脈硬化を進めるからだ。

 望月さんは「早い時期から吸い始め、本数をたくさん吸えば吸うほど危険性は高まる。禁煙すれば、喫煙がもたらすほとんどの疾患の危険性を確実に減らすことができる」と指摘する。

(2010年10月18日 提供:毎日新聞社)