Lesson154


依存症から解放されてくると、
煙が臭くてたまらなくなるよ


受動喫煙防止:道内警察署が全面禁煙 
道庁先行、国の出先は難色

 ◇厚労省の通知受けるも足並みそろわず

  ◇愛煙家「きついな…」/庁舎売店、アメやガムの売り上げ急増

  道警本部と道内の各警察署が、4月から原則全面禁煙になった。厚生労働省が2月、受動喫煙被害の防止策として公共施設の全面禁煙を求める通知を出したのを受けた対応で、庁舎内の喫煙所も一部の時間を除き閉鎖された。「公共機関中の公共機関とも言える警察が、国の方針に従わないわけにはいかない」(道警幹部)との判断だが、道内の各公共機関の足並みはそろっておらず、全面禁煙に踏み切った施設はまだ少数だ。【吉井理記】

  正午、道警本部1階の空き部屋を利用した喫煙所。3畳ほどのスペースに昼休みを迎えた職員が続々と入ってきた。もどかしそうにポケットをまさぐり、たばこに火を付けるとホッと一息。あちこちで「きついな」「イライラしちゃって」とのささやきが漏れる。

  以前は庁舎内で自由に喫煙できたが、03年の健康増進法施行を機に、たばこが吸えるのは各階に設けられた喫煙所だけに。さらに今月からは、勤務時間に当たる午前8時45分-正午と午後1-5時半は喫煙所も使用禁止になった。各警察署の喫煙所も同様だ。捜査関係者からは「外に出たがる捜査員が妙に増えた気もする」との声も聞かれる。

  建物の全面禁煙化で先行しているのは道庁。08年度に導入し、庁舎隣の駐車場にプレハブの喫煙所を設置した。名目上は来庁者向けだが、職員の利用も少なくないという。

  一方、札幌市役所と、国税局や財務局、検察庁など国の出先機関が入る第1-3合同庁舎は、建物内に喫煙所を残したままだ。札幌市の担当者は「厚労省の通知の扱いを内部で検討している。職員らの禁煙指導など医学的なケアも必要で、簡単にはいかない」と全面禁煙化に難色を示す。

  道警本部では思わぬ「特需」も。庁舎内の売店では1日以降、アメやガム、甘い菓子類の売り上げが急増。さらに店にはない禁煙グッズの問い合わせも相次いでいるという。店の担当者は「みんな口寂しさを紛らわせたいのでは。『たばこが気になって仕事に集中できない』とぼやく人もいる」と苦笑する。


(2010年4月14日 提供:毎日新聞社 )