Lesson14


12月3日、くらし宅急便


吸わない人ほど大きな被害

受動喫煙で体内に受ける影響は、タバコを吸う人よりも吸わない人の方が大きいー。
こんなショッキングな実験結果が、JR仙台病院管理センターが発表した。禁煙スペースに二時間いた場合、体内のニコチン代謝量を測る目安となる尿中ニコチン濃度が、喫煙者では実験前の1,87倍になるのに比べて、非喫煙者では2,59倍と急上昇する。

「予想外に大きい数字。米国では、受動喫煙で発ガン物質が体内で40倍にも増えたというレポートもあり、タバコを吸ってないから大丈夫って時代ではない」と佐藤研:健康管理センター所長は話す。

神奈川県の大和市役所は、受動喫煙の害を踏まえて職員採用試験で合否ラインに二名以上の受験者が並んだ場合、職場内禁煙の意志が固い人を優先して採用する制度を来年度より始める。同市役所は、今年7月より全面禁煙。職員課は「あくまで仕事中の禁煙を果たせばよく、勤務時間外の喫煙も規制するものではない」と説明する。

一方、プライベートでの禁煙にも踏み込んだのは、大手下着メーカーのトリンプインターナショナル。社内はもちろん家庭での禁煙も決意した常時禁煙者の社員が「禁煙宣言」した場合、報奨金として3万円を支給する制度を昨年夏、スタートさせた。

同社取締役の鈴木雅幸さんは「受動喫煙の害もあるが、労務管理上、勤務中にタバコを吸うのはおかしいから」と始めた理由を話す。「禁煙のために職場を離れて、5,6分すると戻る。これは良く考えると仕事をしてないことになり不平等。ただ、吸う人を罰するのでなく、止めた人をプラス評価しようということで奨励金にした」。

監視制度も画期的。宣言者氏名は全社員に告知され、誓いを破って喫煙した場合、見かけた人が人事部に報告すると「愛の密告」として協力金1万円が払われる。ちなみに実際に密告したケースはなく、同社は、昨年末で喫煙社員ゼロ宣言をした。「密告というときついイメージに聞こえるかもしれませんが、ゲーム感覚で禁煙を進めたかった。私自身もこれを機会に止めちゃいました」。

ちなみに佐藤所長によると、禁煙が成功する秘訣は
・結婚や、子供が生まれるなど、強い動機がある。
・元旦や、結婚記念日など何かの記念日に始める。
・タバコ、灰皿など一切を棄ててしまう
・周囲に禁煙宣言をする。
・病気や、体調の変化で老化を感じた時、運動などを始めて同時に止める。
・タバコを吸いそうな集まりに顔を出さないだそうだ。

喫煙で肺がん、女性は2倍 米で調査結果発表

【シカゴ1日共同】喫煙で肺がんになる危険性は、女性は男性の2倍に達するとの調査結果を米ニューヨーク病院コーネル医学センターの研究チームがまとめ、シカゴで開催中の北米放射線学会で1日、発表した。

同チームは、喫煙歴がある40歳以上の男女約3000人を検査。年齢、喫煙年数、喫煙量、性別によって肺がんになる危険性がどう違うか分析した。

検査では77人が肺がんと判明。女性は、年齢や喫煙量にかかわらず、喫煙で肺がんになる危険性が男性の2倍と分かった。同チームは「女性の方ががんになりやすい理由は不明」としている。

男女を合わせた分析では、喫煙量が多く、年齢が高いほど肺がんになる危険性は高かった。

米国では、男女とも、がん死亡の中で肺がんが最も多い。2003年は、男性9万1000人、女性8万人が新たに肺がんと診断されたという。(共同通信)

ハワイの日刊サン誌からの引用[12月2日0時34分更新]